2026年10月29日木曜日
電子カルテPC入れ替えPART III
レントゲン画像は専用のDICOM(ダイコム)と呼ばれる形式でデジタル化して扱います。いろいろな画像機器からのデータを患者さんごとに集約して閲覧しやすく整理するのがDICOMサーバーの役割で、別のDICOMクライアントと呼ばれるPCで専用の画像ビュウアーを使って閲覧します。
これらのシステムを総称してPACS(Picture Archiving and Communication System、医用画像管理システム)と呼ぶんですが、うちのクリニックでも当然メーカー製のPACSが稼働しています。
このうちサーバーは何とWindows7で動いている。医療用機器は、正規の公的認証を受けた機器だけが保険医療の中で使えて、一度認証を受けた仕様は変更できません。変更するとまた別の機器として手続きが必要になる・・・という、実にくだらない約束事があって、簡単にアップグレードはできません。
さすがにこれを勝手にいじくるわけにはいかないので、壊れたらその時はその時と開き直っているわけで、まさに壊れるまで使い続けるしかない。
ただ、問題はクライアントです。はっきり言って、単なる画像ビュウアーですから、そんなに高度の作業をしているとは思えない。せめて、これは安心して世の中の進歩に合わせて更新したいと思うのは無理が無いところです。
で、電子カルテPCの総入れ替えのタイミングで、OSがWindows10からWindows11になって、当然レントゲン画像のビュウアーもインストールしなおせばよいと思っていたら、何とメーカーから「Windows11には対応できません」とあっさり拒絶されてしまいました。
そこで、新PCからリモートで旧PCを操作して画像ビュウアーの画面を新PCで閲覧できるようにしました。そして、少しでも古いPCのリスクを軽減するためにクローン作製+SSD換装+RAID化という作業を数日がかりで行ってきたわけです。
話が長くなりましたが、ここからが本題。
本当にWindows10のDICOM画像ビュウアーはWindows11では使えないのか??
とにかくこの命題を検証したい。知的好奇心ということもあるんですが、どうしてもメーカーの対応が納得できないので、ダメならダメで自分で確認したいということです。
まず、再びオリジナルの旧PCのクローン作製から始めます。今回はテストなので、余っていたハードディスクを利用しました。数時間かかって無事に終了したところで、旧PCのオリジナルのハードディスクと交換します。
普通に起動して、普通に使えることを確認したところで、いよいよWindows11へのアップグレードをします。これにはMicrosoft推奨のMedia Creation Toolを使いました。他のインターネットにつながるPCで起動して、Windows11にアップグレードするためのファイル一式をダウンロードしたUSBメモリーを作りました。
エクスプローラからUSBメモリーのsetup.exeを実行すると、設定やアプリなどをそのまま引き継いでOSのみをアップグレードすることができます。USBから立ち上げるとクリーン・インストールになって、中身は消えてしまうので注意が必要。
ここでまた数時間かかって、OSが無事にWindows11 26H2にアップグレードすることができました。今使用しているPCとIPアドレスなどやコンピュータ名が同じなので、同時に起動はできませんから、現PCはシャットダウンします。アップグレードPCを院内ネットワークにつないで起動しました。で、早速画像ビュウアーのアイコンをダブル・クリックしてみたら・・・
そうは簡単にはいかない。まず、「このソフトは、.NET Framework 3.5が必要です」となった。調べるとWindows11はデフォルトで.NET Framework 4.8が導入されているのですが、3.5は無効化されているんです。これを懐かしの「コントロール・パネル」から「プログラムと機能」、そして「Windowsの機能の有効化」とたどっていき.NET Framework 3.5にチェックを入れて、待つこと1時間。これも何とかクリア。
再びすぐに試そうかと思ったのですが、ちょっと踏みとどまった。そうだ、Windowsには古いOSとの互換性を保つ機能があったのを思い出しました。そこで、PACS関連のフォルダーの中をくまなくチェックして、すべての実行ファイルをWindows7互換に設定しました。
そして、ついに再起動・・・結論としては、まったく問題なく動きました!!
サーバーから画像リストを正常に取り込み、対応した画像も閲覧できました。そのほかのこまごまとした機能も、少なくとも日頃良く使うものはすべてちゃんと動くじゃありませんか。何か、勝利を決めた瞬間のような嬉しさですが、だからといって新PC上で動かせるわけではないので、自己満足の極みというところです。
