夏季臨時休診

夏季臨時休診のお知らせ 8月14日(金)~8月19日(水)臨時休診します。

2023年6月30日金曜日

図書館戦争 THE LAST MISSION (2015)

有川浩原作の「図書館戦争」の実写版シリーズの第3弾ですが、映画版としては2作目。一連のシリーズは、いずれも監督が佐藤信介、脚本が野木亜紀子が担当、主演も岡田准一、榮倉奈々のコンビです。

手塚慧(松坂桃李)が率いる未来企画のセミナーで感化された図書隊員が、図書館内で焚書を起こします。隊員は手塚慧の指示によって、笠原郁(榮倉奈々)を共犯と証言し査問にかけられるように仕向けます。手塚は郁を呼び出し、良化隊と図書隊の激化する戦闘の無意味を語り、図書隊が武装解除し図書館が文科省傘下に入ることが唯一の解決だと説きますが、賛成しない郁を駆け付けた堂上(岡田准一)が連れ出してしまいました。

茨城県知事から、「表現の自由」をテーマにした展覧会の開催に合わせて、関東図書隊が所有する「図書館法規要覧」の貸出が要請されます。今や一冊だけになったこの本は、図書隊設立の法的根拠であり、自由の象徴でした。図書隊は厳重管理のもと要覧を茨城県の図書館に運びますが、そこへ良化隊の大群が攻撃をしてきたのです。

館長は未来企画に洗脳され、一時預かりとなった要覧を良化隊に譲り渡すことにしていたのです。良化隊は「自分たちの本」を取り戻す名目のもと、図書隊を壊滅することが真の目的で総攻撃を仕掛け、次から次へと図書隊員は倒れていく。堂上と郁は、要覧を持って図書館を脱出し展覧会会場に街を走るのでした。

原作は比較的若年層に人気が高いようですが、映画も観客の大多数が10~20歳代でした。また、原作がある映画化作品では、しばしば原作との乖離、出演者のイメージの不一致などが評判を落とすことがあります。しかし、このシリーズに関しては、ほとんどその手の批判は見受けられません。

とにかく原作も含めて、この映画の評価は、前提となった世界観を受け入れられるか否かにかかっています。そもそも図書館員が武装して、実弾を使った戦闘をするというのは、法律論的にもかなり無理がある設定。世間が無関心だから、図書館だけでも表現の自由を守り抜くというのも、あまりに一般市民をバカにしている。

ですから、基本設定をあまり深く考えずに、そういうパラレル・ワールドの話と割り切れば、けっこう痛快なロマンス付戦闘アクション映画としてよくできているシリーズだと思います。さすがの岡田准一のアクションもたっぶり見れますし、榮倉奈々、栗山千明ら女優陣もはまっています。

一つだけ文句を言いたいのは、「LAST MISSION」としているなら、悪法たるメディア良化法の終焉を描いてほしかった。この結末なら、図書隊と良化隊の戦いはイタチごっこのままだと思います。

2023年6月29日木曜日

図書館戦争 BOOK OF MEMORIES (2015)

有川浩原作の「図書館戦争」の実写版シリーズの第2弾で、こちらも監督が佐藤信介、脚本が野木亜紀子が担当、主演も岡田准一、榮倉奈々のコンビです。ただし、映画ではなく、2作目の映画版公開に合わせて、TBSテレビで映画のプロローグ的なスペシャル・ドラマとして放送されました。

笠原郁(榮倉奈々)は、突然の両親の訪問によって、自分の職種が戦闘部隊であることがばれてしまいます。母親は怒り、親子の溝が深まってしまうのでした。

中澤毬江(土屋太鳳)は高校生の時聴覚を失いますが、こどもの頃から知り合いだった図書隊員の小牧(田中圭)が勧める本を読むことでたくさんの勇気を取り戻していました。しかし、小牧が耳の不自由な女子が主人公の本を勧めたことから、聴覚障害者に対する虐待という理不尽な理由によって良化隊に拘束されてしまいます。

この事件を陰で仕掛けたのは、メディア統制の主導権を握りたい文部科学省の息がかかる未来企画というグループで、リーダーは手塚慧(松坂桃李)、図書隊員の手塚光(福士蒼汰)の兄でした。慧は過去に優秀な図書隊員でしたが、図書隊の良化隊の戦闘に意義が見いだせず突然やめていたのです。

図書隊は毬江に記者会見を開かせ真実を語らせることで小牧を救出し、郁は本に対する想いをあらためて自覚し、図書隊にいる自分の意味を再確認できたことで母親と和解することができました。小牧を利用して図書隊を弱体化させることに失敗した慧は、次のターゲットを郁に定めるのでした。

というのが、スペシャル・ドラマ。主役が小牧と毬江というサイド・ストーリーが中心で、もちろん見ていなくても映画は楽しめるようになってはいますが、派手な戦闘シーンがあるわけではありませんが、「本を守る」ことの意義が深まる重要な展開です。

映画に初登場するキャラが紹介されているので、出来れば見ておいた方がより映画を楽しむことができるというものです。特に手塚慧については映画版の鍵を握る重要人物です。また、情報通の柴崎(栗山千明)が、正式に発足した諜報部に所属することになったことも知っておいた方が良さそう。

一見、地味なストーリーですが評判は高く、ファンの中では一番好きだという意見も多いようです。

2023年6月28日水曜日

図書館戦争 (2013)

原作は有川浩の人気シリーズで、アニメ化もされていますが、実写版ならキャスティングは誰がいいかとアンケートを取った時、まさに主役の二人の俳優の名前が挙がったそうです。まさに、原作にぴったりの配役で、実際に実写版が作られ、映画2作とテレビのスペシャル1作のシリーズとなりました。監督は佐藤信介、脚本は野木亜紀子。

まず、このストーリーの世界観を理解しておかないと、荒唐無稽と言って終わってしまう。大事なのは、まず「図書館の自由に関する宣言」というもの。1954年に日本図書館協会で採択された実在する物で、全国の図書館に掲げられています。

1 図書館は資料収集の自由を有する
2 図書館は資料提供の自由を有する
3 図書館は利用者の秘密を守る
4 図書館はすべての検閲に反対する

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

さて、1988年、メディアに溢れる悪意を持った公序良俗を乱す言葉の数々を規制するため、メディア良化法が制定され。良化特務機関(通称メディア良化隊)により、不適切な書物が検閲され破棄、燃やされるようになってしまいます。

1999年、メディア良化隊と関係があると推定されている謎の武装グルーブによって、日野市立図書館が急襲され、右脚を失う重傷を負った仁科以外の図書館員12名が殺害され、ほぼすべての蔵書が焼失しました。仁科(石坂浩二)は、すべての本と図書館を守るために、図書隊を組織し良化隊と対峙することになりました。

さて、これくらいの知識を整理して置いて、本編の話。2014年、高校生の笠原郁(榮倉奈々)は本屋で気に入った図書を良化隊に奪われそうになった時、図書隊の隊員の機転によって取り戻すことができます。郁はその時の図書隊員を「王子様」の呼び、2019年、自らも関東図書隊に入隊したのです。

指導教官になったのは鬼教官で知られた堂上篤(岡田准一)で、厳しい指導の元、郁は良化隊との実弾戦闘を伴う特殊部隊に配属されるのです。部隊長の玄田(橋本じゅん)、やさしい先輩の小牧(田中圭)、同期のエリートの手塚(福士蒼汰)、女子寮で同室の情報通の柴崎(栗山千明)らと、次第に信頼関係を作っていきます。

小田原私設図書館主が亡くなり、メディア良化法成立を巡る重要資料などが関東図書隊が守る武蔵野第一図書館に移管されることになりました。良化隊には不都合な資料があるため、これを奪うため図書館に攻撃を仕掛けてくるのです。

日本各地の図書館、特に新潟県の十日町情報館が主たるロケ地になっていて、広くてモダンな館内はなかなか見事です。自分の知っている図書館は、いかにも昭和の雰囲気で、隔世の差があります。

戦闘は図書隊は専守防衛に徹し、基本的に銃撃も図書館敷地内に限定され、威嚇射撃が基本。それに対して法務省管轄の良化隊は、鎮圧目的にどんどん攻め込んでくるというのですから、図書隊は圧倒的に不利な状況。このあたりはかなり絵空事感があります。

最近は本が売れなくなった時代ですから、本に対する執着はあまり伝わらないようなきがしますが、ネットに氾濫する様々なメディアに置き換えれば、ある程度世界観の理解もできるかもしれませんね。

2023年6月27日火曜日

アイアムアヒーロー (2016)

大泉洋主演となれば、コメディ・タッチの映画かと思ったら・・・何と、ゾンビ映画。正直、苦手なジャンル。監督は佐藤信介で、多くのコミック原作の実写化で原作ファンも納得させる映画を連発している人。

この作品も、もとは花沢健吾によるマンガが原作。脚本は野木亜紀子。特殊メイクやCGを駆使して、邦画としてはかなり頑張った視覚効果が凄い・・・ですが、アメリカ映画と違ってホラー色は控えめで、ダメ人間が尊厳を取り戻すのがテーマ。

鈴木英雄(大泉洋)は売れない漫画家。何を書いても採用されず、アシスタントをして暮らしていて、一緒に暮らす恋人からも叩き出されてしまう。そんな折、世間で謎の感染による病気が急速に始まっていました。発症した人は、ゾンビ化して誰かれかまわず別の人を噛み、噛まれた人も同じ症状になるのです。

英雄はアパートに戻ると、何と恋人が発症して襲ってきました。趣味で所持していた猟銃だけを持って何とか逃げ出した英雄は、多くのゾンビ化した人々、ZQN(ゾキュン)が暴徒化して無秩序化した街の中を走り続けるのです。偶然にも高校生の比呂美(有村架純)を助け、高所なら感染しないという噂を頼りに富士山に向かいます。

しかし、その途中何と比呂美が発症する。前日、発症した赤ちゃんに噛まれていたのですが、感染力が弱く、比呂美は意識は薄れ気味でしたが何とか人間としての理性を保っていました。そして、二人は富士アウトレット・モールにたどり着きます。

モールには生き残った人々が、伊浦(吉沢悠)をリーダーとしてZQNの攻撃をかわしていました。伊浦は、英雄の猟銃を取り上げ比呂美にボウガンを撃ち込みます。看護師の小田つぐみ(長澤まさみ)は、比呂美を助け、伊浦のやり方に反発する。しかし、サンゴ(岡田義徳)が猟銃を奪い、伊浦に食料調達の先頭を命じるのです。

伊浦は地下駐車場の暗闇で姿を消し、中央指令室に入り込むと館内放送で大音量で音楽を鳴らし、その音につられてZQNたちは地下になだれ込み、英雄らの食料調達班を襲うのでした。地上でもバリケードを突破したZQNが、生き残った人々を襲い、小田は比呂美を匿い必死で無線で助けを求めるのでした。

映画化されたのは、原作のごく一部。英雄は知り合った人々と、事態の解決に向けて奔走するらしいのですが、当然原作は読んでないのでわかりません。映画では、何とかアウトレットを脱出するところまでで、英雄がヒーローとして覚醒するところまでが描かれます。

最初は「俺の名前は英雄(えいゆう)と書いてヒデオ」と自己紹介していた鈴木は、最後には「名前はヒデオ、ただのヒデオ」と言うところがポイント。最後のZQNの群衆との対決は、なかなか壮絶の一語に尽きますが、比呂美やツグミにとっては、まさに英雄がヒーローになったというところ。

撮影は韓国のアウトレット・モールで行われたそうで、さすがに日本ではこれだけの撮影は難しいというところ。CGもふんだんに使われているわけですが、かなりリアリティが感じられ、ハリウッドにも負けていません。

まぁ、ゾンビは苦手ですが、笑うところは無い大泉洋の精一杯のアクション映画ということで、続編も期待したくなる作品でした。

2023年6月26日月曜日

鍵泥棒のメソッド (2012)

内田けんじの監督・脚本作のシチューエーション・コメディ。完璧主義の殺し屋「コンドウ」と人生ダメダメの役者桜井武史がひょんなことから立場が入れ替わり、そこへ何事にも几帳面な結婚を急ぐOL、水嶋香苗が絡むという、何が起こるか想像できないストーリーです。

桜井は堺雅人、コンドウは香川照之と来れば、この翌年のドラマ「半沢直樹」が大ヒットしました。香川さん・・・ちょっといろいろありますが、OLが広末涼子で最近お騒がせ中です。まあ、それはいいとして、前半が香川と広末、後半が堺と広末が絡む展開の妙みたいなところもなかなかよくできています。

高級品を紹介する雑誌編集長をしている香苗は、何事にも几帳面。ある日、急に数か月後に結婚すると宣言します。しかし、予定は立ててみたものの、相手はこれから探すというので部下はびっくり。何事もうまくいかず自殺にも失敗した桜井は、たまたま財布から出てきた無料券で銭湯に出かけます。一方、コンドウは用意周到に会社社長岩城を刺し殺し、帰る時に返り血を浴びているのに気がつき、通りかかりに銭湯を見つけました。

ところが、浴場に入った途端、石鹼で滑ってコンドウは転倒し頭を打って救急車で運ばれる。桜井は、咄嗟に脱衣場のロッカーの鍵を自分のとすり替えてしまいました。コンドウは記憶を失ってしまい、持ち物から桜井ということになってしまいます。退院したところで、偶然に香苗に道を尋ねたことがきっかけで、香苗は彼の記憶を取り戻す手助けをすることになる。

一方、本物の桜井はコンドウの高級マンションに行ってみる。いろいろな衣装や、さまざまな身分証明書、さらには拳銃を発見し驚きます。そこへヤクザの工藤(荒川良々)から電話がかかって来る。岩城の始末は見事だったが、岩城の女が2億円を隠しているので、その場所を調べ女も始末して欲しいと追加の依頼をされてしまいます。

コンドウと彼が何者か知るためにいろいろ調べるうちに、香苗はコンドウの几帳面で努力家なところに惹かれ始めていました。コンドウも親身になってくれる香苗に惚れてしまいます。桜井は、岩城の女、井上綾子(森口遥子)に近づき、殺されるから逃げるように話してしまいますが、そのことが工藤にばれてしまいピンチを招く。

本来クラシック音楽が大好きなコンドウは、たまたま香苗がかけたクラシックの曲を聞いているうちに記憶が戻るのでした。コンドウがマンションに戻ると、工藤の元から逃げ延びた桜井がやって来て、二人はついにそれぞれのヤバイ状況を把握したのでした。

内田監督は脚本家として実に良い仕事をしていて、実際、この作品では日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受傷しました。鍵泥棒の鍵は銭湯のロッカーの、あの平たいやつのことですが、それぞれが人生の鍵を交換してしまったことも込められていそうです。メソッドは桜井が、そして桜井よりコンドウが深く勉強した演技論のこと。これもお互いが他人の人生を演じる状況に絡めてある。

これらの状況設定だけでもワクワクさせられますが、前半で感じられる違和感みたいなものが、後半に入ると見事に納得させられ大どんでん返しですっきりして、ハッピーエンドになだれ込むというのは、前作「アフタースクール」と同じで、実に見事。

この作品もシチュエーション・コメディと呼べるジャンル。直接的なドタバタで笑わせる(スラップスティック・コメディ)のではなく、ありえない状況のなかで自然と滑稽味が出るタイプのもの。人と人が入れ替わってしまう話はよくありますが、その中にラブコメ要素を取り入れつつ、それぞれの人生の良し悪しを客観的に見つめ直す内容は、まさに内田マジックと呼べそうです。

2023年6月25日日曜日

アフタースクール (2008)

アフタースクールは「放課後」。中学校の同級生たちを巡る大人になってからの「放課後」の冒険?みたいなサスペンス映画。監督と脚本の内田けんじによる、大どんでん返しが見事な作品です。

梶山商事に勤める真面目な木村一樹(堺雅人)は中学時のマドンナ、佐野美紀(常盤貴子)と結婚して、もうじき子供が生まれる。中学の同級で、今はその中学の教師として勤める神野良太郎(大泉洋)は、近所のよしみで何かと木村と美紀の面倒を見ています。

出産も間近、ある日木村は行方をくらましてしまう。しかし、偶然に会社の同僚に横浜のホテルで謎の女性(田畑智子)と連れ立っているところを写真に撮られてしまい、それが社長の大黒(北見敏之)に伝わります。

大黒は側近の唐沢に、すぐに木村を探し出せと命じます。唐沢は、探偵の北沢雅之(佐々木蔵之介)に捜索を依頼。北沢は、同級生と偽り中学に現れ、神野に木村探しを手伝わせるのです。北沢は新宿のヤクザ、片岡(伊武雅刀)に弱みがありましたが、依頼主が大黒であることを突き止め、さらに大黒と片岡がつながっていることを知ります。

木村と一緒にいたのは片岡の店でNo.1ホステスだったアケミで、片岡の元を逃げ出し木村と結託して大黒から大金を巻き上げようとしているのではないかと推察するのです。北沢にうんざりした神野は、夜になって家に帰ると、何とそこには木村がくつろいでいました。

え~、どういうこと!! という感じで、ここからは意外な事実が次から次へと出てきて、いやいや、騙されました。映画的に無駄なシーンぽいところが多々あって、何か変だなとは思ったんですが、結末がわかるとなるほどという感じ。

最後は美味しい所を大泉洋が持って行ってしまうので、主演は大泉ということでしょう。同級生としての絆のような幸福を知らず、初めから世間をひねくれて見つめているのが佐々木。いつも貧乏くじをひいていて、ちょっと可愛そうなのが堺というところ。

今ではそれぞれが主役を張れる人気俳優ですから、まとめて3人が見れるだけでも、随分と楽しい映画です。コメディが得意に俳優さんたちですが、ここではあからさまに笑わせるようなところはありません。ただ、全体の流れが半分コメディみたいなもので、そこから生まれる可笑しさがにじみ出る感じ(いわゆるシチュエーション・コメディ)。それにしても、映画としてのまとまりは、少しだけ見劣りする部分は無いわけではないのですが、脚本の妙味は抜群で、終わり方も理想的な映画です。

2023年6月24日土曜日

サイレント・トーキョー (2020)

秦建日子による「And so this is Xmas」を原作とし、連続爆弾テロ事件を描くクライム・サスペンス。監督は「SP」シリーズを手掛けた波多野貴文で、見ていると群衆のシーンなどは何となく雰囲気が似ています。

最初に言ってしまうと、けっこう重厚なテーマがあって、犯人の動機なども一筋縄ではいかない。それを正味90分程度にまとめ上げたのは褒めてあげたいところではありますが、まぁ普通は1時間×5回程度の連続ドラマでいくのが適当な感じがしました。

12月22日、恵比寿の商業施設の広場。爆弾を仕掛けたとというメールを受けてテレビ局のスタッフ、来栖(井之脇海)と高沢(金井勇太)が行ってみると、山口アイコ(石田ゆり子)と名のる女性がベンチに座っている。アイコは自分の代わりに高沢を座らせ、ベンチに爆弾が仕掛けてあり、30キロより軽くなると爆発すると言うのです。しかし、警察が撤去しようとした途端、爆発が起こりますが、音と光だけの疑似爆弾でした。

さらにアイコは来栖にブレスレットを装着させ、それも爆弾で、自分たちは監視されていて犯人の言うとおりにしないと爆発すると言い、来栖に犯行声明をしゃべらせ総理大臣との会見を要求するビデオを公開します。要求が通らなければ、12月24日午後6時、渋谷ハチ公前広場を爆破する。恵比寿のは脅かしだったが、今回は戦争だという内容でした。

しかし、世界情勢を考えるとこれからは戦争ができる組織を持つことが必要だと唱えるタカ派の総理(鶴見辰吾)は、一切犯人の要求にこたえることはない。渋谷署の刑事、世田(西島秀俊)、泉(勝地涼)らは聞き込みの中で、須永(中村倫也)という青年に目を付けます。

そして、いよいよその時間になり、渋谷のスクランブル交差点は野次馬が大勢集まり、警察が必死に通行を規制しようとしますが、お祭り騒ぎの様相を呈していました。そして、いよいよその時間となり・・・一瞬の間をおいて、大爆発が起こり一帯は修羅場と化すのでした。

石田ゆり子と西島秀俊に爆弾とくれば、真っ先に「MOZU」を思い出しますが、今回は二人の接点はありません。寡黙で心の隙を見せない須永に絡むのが、広瀬アリスと加弥乃と言うOL二人組。さらに重要な役所で、ある意味主役と言えるのが佐藤浩市なんですが、なかなか説明しにくい。

最初に言ったように、一番の問題はこの内容でこの時間では短すぎるということ。渋谷の大爆発からエンディングまで、事件としては半日以内の出来事になると思いますが、犯行の動機を説明することにほとんど費やされるので、いろいろな事件解明までのステップがあまりにも簡単。

しかも、重要な登場人物が、現在と過去(20年程度昔?)で配役が異なることで、えっ? これ誰の話? という感じになってしまうことがやっかい。世田刑事の過去にも何かありそうなんですが、事件と関連は無いのであえて盛り込む必要があるのか疑問がある。

一番の見所は渋谷大爆発。巨大なそっくりなセットと大勢のエキストラを動員しての撮影だったそうで、知らないとよくぞこんな撮影ができたもんだと驚いてしまいます。爆発そのものはCG合成ですが、さすがに肉片が飛び散らないお行儀のよいシーンです。

まぁ、テレビのスペシャル・ドラマと思えばがんばったと褒めたいところですが、映画としてはちょっと・・・

2023年6月23日金曜日

ミッドナイトイーグル (2007)

原作は高嶋哲夫。あえてジャンルを決めるなら、山岳国際クライム・サスペンスという・・・まあ何だかわからない感じですが、「クライマーズ・ハイ」の脚本も書いた成島出が監督。豪華なキャスティングで、なかなか硬派の展開を見せてくれます。

某国の工作により、アメリカ軍の核兵器を搭載したスティルス爆撃機が真冬の北アルプスに墜落。それを山岳写真を撮るためにキャンプをしていた西崎優二(大沢たかお)は、偶然に目撃し不鮮明ながらも写真におさめます。

西崎は戦場カメラマンとして、多くの写真を公開してきましたが、目の当たりにした惨状に写真では人の命は救えないと絶望し、山に逃避していたのです。そのため妻の病気も知らず、死に目にも会うことが出来ませんでした。雑誌編集をしている妻の妹、有沢慶子(竹内結子)は、そんな西崎を許せず、西崎の息子の世話をしていました。

西崎の後輩、上司を殴って地方に飛ばされた新聞記者、落合信一郎(玉木宏)は、西崎から連絡を受け、色々入って来る断片的な情報から、何かとてつもない重大事件が起こっていると考え、西崎と連れ立って吹雪で閉ざされている墜落現場に向かうのでした。

落合は、西崎が撮影した写真を啓子に送り調べるように頼みます。その結果、米軍の爆撃機であることが判明、墜落するように横田基地に潜入した工作員に接触します。彼はその際重傷を負っていて、仲間を裏切って恋人と共に逃亡するつもりでした。

自衛隊からも墜落現場に部隊が向かいますが、某国工作員の待ち伏せに遭い佐伯三等陸佐(吉田栄作)以外は全滅してしまいます。西崎と落合は佐伯を助けて、工作員の襲撃をかわしながら、何とか墜落現場に到着します。

しかし、すでに工作員の手によって、核兵器を爆発させるための特殊時限爆弾が起動していました。もしも爆発すれば、直接的な被害は半径数十キロ、放射能汚染は首都圏を含めて日本に壊滅的な被害をもたらしてしまうのです。しかも、三人の周囲には武装した大勢の工作員が取り囲んできました。

そもそも戦闘素人の二人が危険を冒して墜落機体のところに行く動機は何? というところから理解しないと、とてもありえない映画で終わってしまいます。西崎は戦争カメラマンとして真実を伝える使命に絶望し、そのため妻子を失う。もう一度、自分の生きる目的を再確認する必要がありました。

落合は、国家的隠蔽事案をスクープしようとして、圧力に屈してしまったことがずっと心の重荷になっている。この事件をとことんあきらめないことが、やはり自らの証明だと考えているのです・・・って、それだけなのかなぁ。佐伯も、西崎の写真を見て自衛官として平和を守ることの決意を新たにしたと告白します。

戦うことを止めてしまった西崎を非難した啓子も、実際に危険の中に身を投じることになり、そして無線で聞こえてくる西崎の声の中に、しだいに彼の心情を理解していくのでした。そういうところでは、脚本はぎりぎり許せるし、実際の冬山でのロケもそれなりにがんばっている。

ただ、政府の対応が何ともしまらない。そもそも総理大臣が藤竜也なんですが、最初から無精ひげ面で、いいところで関西弁というのはどういうわけなんだろう。総理との交渉は佐伯じゃなくて西崎が中心というのももやもやします。防衛省が協力したにもかかわらず、自衛隊はほとんど無力で、せっかく吹雪の中にヘリコプターを飛ばすものの、結局無理ですと帰ってしまう。

一番困ったのは、結末。サスペンスじゃなくて、完全にお涙頂戴路線に走ってしまいました。見終わって、後味の悪さが残ります。もうちょっと、何とかできないですかね。

2023年6月22日木曜日

マスカレード・ナイト (2021)

東野圭吾原作の「マスカレード」シリーズの映画化第2弾。今回も、刑事の木村拓哉とホテルマンの長澤まさみのコンビが事件をめぐって活躍します。監督も前作に続き鈴木雅之が担当しています。


警察に匿名の密告があり、調べるとその通りに殺された死体が発見されます。ロリータ・ファッションの若い女性で、特別な装置による感電死でした。さらに、大晦日にホテル・コルテシア東京で開かれる年越しのカウント・ダウン仮装パーティに犯人が現れるという密告が続きます。 

そのため、再び刑事たちはホテルの各部署に潜入捜査を行うことになるのです。当然、新田刑事(木村拓哉)は再びフロント係。前回、新田の担当になったホテル側の山岸(長澤まさみ)は、よろず相談を一手に引き受けるコンシェルジェに昇格し、ロビーのフロントとは離れた場所にいる。かわりに新田の相手をするのは、超真面目な大ベテランの氏原(石黒賢)でした。

氏原は、新田に一切客対応をしなくて良いと厳命します。しかたがないので、新田は山岸に相談する客の内容を嗅ぎまわって、うるさがられるという感じ。ホテルに来る客は、皆ある意味「仮面」をつけているのですが、仮装パーティとなると本当に仮面をかぶっていて見分けも付けられないという困難な状況。

今回も、一癖二癖あるいろいろな客が集まってきました。女性へのプロポーズために、レストランの通り道をバラで飾るように山岸に頼み込む男性。彼はふられてしまうのですが、その直後に、今度は別の女性客との間を取り持ってくれと頼んできます。窓から見える看板の顔を見えなくしろと言う女性。夫婦で予約してやってきた女性は、いつまでたっても夫が現れず謎めいています。後生大事にゴルフ・バッグを自ら抱えた中年男性。いつもは浮気でホテルを利用しているらしい男性は、今夜は妻とこども連れ。そこに浮気相手もさりげなく登場。


警察は、パーティの券を持っている人々の素性を一人一人調べます。そんな中で所轄の能勢刑事(小日向文世)の手助けもあって、まったく同様の手口による3年前の未解決の殺人事件が発覚し、密告文の内容から密告者についても絞られてきます。新田は、密告者は殺人者を脅迫していて両者がパーティで接触すると考えました。

23時にパーティが始まり、警察が怪しい人物をマークする中、いっこうに決定的な証拠が見つからない。新田はついに賭けに出るのでした。

今回も、警察側は渡部篤郎、篠井英介、梶原善、そしてホテル側は鶴見辰吾、石橋凌。タイトルで木村とタンゴを踊るのは中村アン。登場する客は、田中みな実、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸らの豪華なキャスティング。

今回は、警察がホテルに潜入し従業員になりきるというコンセプトはやや希薄。真偽がはっきりしない密告だけでですから、普通は、客としてパーティに紛れ込むというのが常識的な方法かと思います。従業員として動けば、確かに事前にいろいろと情報は収集しやすいものの、いざというときの制約もあります。

また山岸は前作でもフロントとしてそこまで客の頼みを聞くか、という感じだったので、わざわざコンシェルジェにする必要があるのかモヤモヤします。その分、新田との絡みも多少無理が生じているような感じ。

また、前作と違って事件の犯人がホテルの客の中にるという前提で話が進むので、それならもう少し事件そのものを丁寧に扱わないと親切ではないように思います。動機やホテル内での出来事も複雑なので、解決に向かう部分があっさりしすぎ。

まぁ、木村と長澤を見る映画と割れ切ればいいんですけどね。少なくとも、このシリーズのキムタクは従来のカッコよさとは一味違う魅力があることは間違いない。長澤も突き抜けた詐欺師と違って、きりっとした演技がなかなか見ものです。

2023年6月21日水曜日

マスカレード・ホテル (2019)

東野圭吾の「マスカレード」シリーズが原作。主演は刑事役の「HERO」の木村拓哉とホテルマン役の「コンフィデンスマンJP」の長澤まさみ、監督は「HERO」の鈴木雅之というフジテレビ系列最強スタッフが終結した作品。

一見無関係に見える3つの殺人事件が、残されたメモにより連続殺人としてつながります。遺されたメモは次の事件が起こる場所の緯度と経度を示す数字が書かれていました。そして次の事件が起こるのが、ホテル・コルテシア東京と判明した警察は、捜査員を様々なホテル従業員となって潜入捜査を開始します。

フロントの担当になった新田刑事(木村拓哉)の教育係となったのは山岸(長澤まさみ)。ホテルマンはいかにお客様に素晴らしい時間を過ごしていただくかが大事で、どんなに無理難題を頼まれても「無理です」は禁句。ホテルの客は「仮面」を被っていて、ホテルマンはそれを承知で客を信じるのが仕事。一方、刑事はその「仮面」を剥がし人を疑うのが仕事。当然二人は衝突するのですが、新田はしだいにホテルマンの作法を身につけていきます。

ホテルには本当に様々な客がやって来る。タバコ臭いと部屋のアップグレードを要求する男、バスローブを盗んだように装うカップル、ストーカーを近づけないでと頼み込む女性、目が不自由なことを装う老婆、結婚式のためドレスを選びに来た新婦などなど・・・

新田は最初の事件の被害者の関係者を疑っていますが、彼には完璧なアリバイがある。以前新田と組んだ所轄の能勢(小日向文世)は、自由に動けない新田の代わりに着々と足で捜査を続け協力します。そして、アリバイを崩し最初の事件の犯人を特定しますが、逆に3つの事件がそれぞれ独立している疑いが生じ、事件は混迷を深めていくのでした。

客として登場するのは、前田敦子、濱田岳、笹野高史、高嶋政宏、菜々緒、宇梶剛士、橋本マナミ、生瀬勝彦、松たか子・・・・などなど、誰がどこに出てくるかを見るだけでも楽しめます。警察関係者は渡部篤郎、篠井英介、ホテル関係者は石橋凌などなどです。

古きハリウッドにならってグランドホテル形式と呼ばれるこの手の形式は、それぞれの登場人物をいかに手短に描けるかが重要。そのあたりのまとめかたはうまい。それぞれに短いドラマがしっかり読み取れます。そのために、むしろ最初の3つの事件については、省けるだけ省いて、特に最初の犯人などは映像として登場すらしない。

推理劇としては、ああ確かに手掛かりはあちこちにばらまいていたなとわかるんですが、横道を深堀するため、展開がわかりにくくなってしまったのを良しとするかどうかは評価が分かれるところかもしれません。

単なる刑事ドラマではなく、相反する心情を持つ二人がギリギリの接点で協力するという発想はオリジナリティがあって興味深い。そこのやり取りを見せるための土台として事件があると思えば、こういう作りもありだと考えます。

2023年6月20日火曜日

天空の蜂 (2015)

原作は東野圭吾による書下ろしクライム・サスペンス。監督は「SPEC」シリーズなどで知られる堤幸彦。

原子力発電に頼り豊かな生活を送っている我々は、一方で原子力に危機感を募らせている。東日本大震災でそのリスクを嫌と言うほど味わった日本人に、あらためて原子力と正面から向き合っていけるのかを問う、社会性の強いテーマを持ちつつ、アクション映画としての娯楽性も追求した作品。

錦重工の技術者、湯原(江口洋介)は、妻と息子の高彦を伴って、自らが設計に携わった新型大型ヘリコプター、通称「ビッグB」の自衛隊への引き渡し式に向いました。

かなり早くに到着したため、暇を持て余した高彦は格納庫に入り込みビッグBに乗り込んでしまいます。しかし、その時無人のはずのビッグBが始動し、高彦を乗せたまま空高く舞い上がってしまう。ビッグBは福井県敦賀にある新陽原子力発電所の上空に達すると、ホバリングして停止するのでした。

そして日本政府に対して、「天空の蜂」を名乗る者からFAXが届きます。その内容は、新陽以外のすべて原子力発電所を非可逆的に使用不能にすること。受け入れなければ、爆薬を積載しているビックBを新陽に墜落させるというものでした。

ビッグBが燃料切れで墜落するまで8時間ほどの猶予しかありません。新陽に集まったのは、湯原らの他に元湯原の同僚だった、原子力技術者の三島(本木雅弘)もいました。所長の中塚(國村隼)、消防関係者なども含め懸命の回避策が話し合われます。

ニュースでこどもが乗っていることが報じられると、天空の蜂から救出のチャンスが与えられ、最大限接近した自衛隊のヘリコプターから、決死の自衛隊員が何とか高彦をキャッチして救出することが出来ました。錦重工内の捜査員は、誰かの協力が無ければ今回の事件は不可能と考え、社員一人一人をチェックしていくうちに、総務課女性社員の赤嶺(仲間由紀恵)の関与が浮かび上がる。

地元警察は、ラジコン操作に熟練した元自衛官の雑賀(綾野剛)を特定し住むアパートに急行します。踏み込まれそうになった雑賀はアパートを爆破し、コントローラーを持って逃亡するも道に飛び出したところをトラックにはねられ死亡します。墜落まで2時間を切っている中、壊れたコントローラーは新陽にいる湯原のもとに届けられ、湯原はコントローラーを修復しようと試みるのでした。

原子力発電所の安全神話は、大震災で脆くも崩れ去りました。この映画(原作は)、安全性に対して正面から疑問を投げかけるもので、震災が無ければその製作は容易には認められなかったかもしれません。

こどもが乗っているという時点で、こどもが何とかするみたいな解決を図れば荒唐無稽な陳腐なものになってしまったかもしれませんが、多少非現実的ではありますが物語の半ばで救出されたことで何とか興味を後半に引き継ぐことが出来ました。

最終的な犯人の動機については、多少ばたばたと提示されて説得力不足感はありますが、もともと政府が要求を呑むはずがないと考えていたのなら、もう少し過激な行動もあってもよかったのかもしれません。エピローグで湯原と成長した息子(向井理)のシーンは、震災を印象付ける目的だと思いますが、やや蛇足感はあり余分。

それでも、今一度、原子力発電のリスクを思い出し、どう向き合っていくのかを考える一つの機会として、意義深い映画だと考えます。

2023年6月19日月曜日

アンダルシア 女神の報復 (2011)

外交官黒田康作シリーズは、映画から始まり、連続ドラマを経て最終章の映画第2弾です。前作は、観光地を巡りつつも単なる観光映画に終わらず黒田康作のキャラクターを鮮烈に印象付ける、ある意味スター、織田裕二の醍醐味を楽しませてくれました・・・が、興行的には今一歩でした。

久しぶりの日本での仕事を終えて、黒田が活躍するのはスペイン。監督は前作から引き続き西谷弘。連続ドラマの視聴率もやや低調でしたが、第2作も興行収入は第1作の半分。それでも第1作ほどではありませんが、邦画のクライム・サスペンスとしては悪い出来ではないと思います。

パリ・サミットで、マネーロンダリングの規制強化を狙う日本の外務大臣(夏八木勲)のサポートをしていた外交官、黒田康作(織田裕二)は、雪に閉ざされるアンドラ公国(スペインとフランスの間の小国)で、警視総監の息子、川島(谷原章介 )が殺されたため急遽向かわされることになります。

実は、川島の死は自殺でしたが、地元のビクトル銀行の新藤結花(黒木メイサ)は、ホテルで強盗に襲われたかのように偽装し、パソコンを隠して第一発見者を装います。現場にはインターポールの神足誠(伊藤英明)も派遣されてきました。

しかし、アパートで男に襲われた新藤は、黒田に助けられバルセロナの領事館に保護されることになります。黒田はフリー・ジャーナリストの佐伯(福山雅治)から、ビクトル銀行がマネーロンダリングに関与しているいろいろな黒い噂、そして神足が日本で不正を内部告発したため飛ばされたことを聞き込みます。川島はビクトル銀行の手先に騙されマネーロンダリング目的で、巨額の投資詐欺に遭っていたのでした。

新藤は、領事館の安達(戸田恵梨香、前作から出世)の目を盗んで逃亡。新藤にGPSを仕込んでいた神足は追い、それを見かけた黒田もバルセロナ市内を追跡します。二人に捕らえられた新藤は、偽装工作を自供し保護を望みます。

取り調べに向かう最中、三人は武装集団に襲撃され、警察の中にもビクトル銀行と通じている者がいることが判明。新藤は、ついにアンダルシアで行われるビクトル銀行と国際テロ組織との取引があることを話す。しかし、新藤は黒田を騙し、神足に取引を申し出るのでした。

テレビは視聴率、映画は興行収入が正義なので、評価が低いのはしょうがない。実際、低評価の理由は、謎が複雑すぎてかわりにくいこと、主役の織田裕二以上に黒木メイサ、伊藤英明がストーリーの中で目立っていることがありそうです。

複雑なのは、マネーロンダリングにまつわる銀行間の競争だけでもややこしいのに、そこへ日本の警察や政界のスキャンダルにまで幅を広げてしまったことがある。まあ、最終章ですから出来るだけ話を盛りたかったということでしょうか。今回も、スペイン語が飛び交うので、字幕なしでの視聴が困難なことも、関係しているかもしれません。

美しいヨーロッパの風景をいろいろ見れるのは愉しみのひとつですが、このシリーズはあくまで舞台の一つとして利用するだけで、観光地巡りは深入りしていないところは潔い。もう少し、黒田の外交官として活躍を中心に続編があってもよかったかもしれません。

2023年6月18日日曜日

アマルフィ 女神の報酬 (2009)

フジテレビ開局50周年記念として、かなり力のこもった(お金がかかった)映画。何しろ、全編イタリア・ロケで、イタリア名所巡りは当然のこと、スタジオ撮影もイタリアで行われました。

キャストも豪華です。主演の外交官、黒田康作は織田裕二、娘を誘拐されるのは天海祐希、ほとんど最初からネタバレなので隠しませんが、犯人は佐藤浩市、イタリアの日本大使館の職員が小野寺昭、佐野史郎、大塚寧々、伊藤淳史、そして戸田恵梨香。外務大臣は平田満、黒田の友人の記者に福山雅治、黒田の上司は電話の声だけですが中井貴一。さらにコンサートで歌うのは、当時人気絶頂のサラ・ブライトマンです。

原案は真保裕一で、織田裕二とは「ホワイトアウト(2000)」以来。ただし、実際の脚本も担当しているものの、これを自分の作品としたくないという意向でクレジットされていません。ですから、何とこの映画は脚本家のクレジットが無いという珍しいものでいろいろと物議をかもしました。

実は映画公開と前後して、DoCoMo動画として「アマルフィ・ビギンズ」という5話からなる約45分のサイド・ストーリーがあります。黒田康作という人物を紹介するためのもので、北京で行われている日中貿易交渉を邪魔するマカオの裏社会のボスと交渉する特命を受けた黒田が、カジノ王クーリーとポーカー対決をするというもの。

この話によって、10年前のメキシコ大使館人質事件で、黒田は独自の判断から人質一人を死なせてしまったことがわかります。以来、黒田は表立って解決できない難題を専門に担当する一匹狼の外交官として世界各地を転々としているらしい。しかし、クーリーは、一人を死なせたが、黒田が動かなければ全員が死んでいたと理解を示すのでした。ここへの出演は松重豊、山本未來です。松重は最近は飄々とした演技が人気ですが、ここでの強面の迫力は見物です。

マカオの件を片付けた黒田は、上司からの電話でクリスマス目前のイタリアに飛べと指令さました。ちょうどG8外務大臣会議が開催されることになっていて、何らかのテロが起こる可能性が示唆されていたのです。で、ここからは映画本編の話。

会議に出席するための川越大臣を迎えるので大使館はてんてこ舞い。イタリアに到着したばかりの黒田もミーティングに参加し、会議関係の警備などを確認していきます。その頃、日本から娘のまどかを連れた旅行者、矢上紗江子がローマに到着するやいなや、美術館で娘を誘拐されてしまうのです。

したかたがなく、黒田は邦人保護のため紗江子の面倒を見ることになってしまいます。身代金を持って二人はローマ中を引き回され、さらにローマから南下した海岸沿いの町、アマルフィに向かうのです。紗江子の元には、かねてからの知り合いである藤井が見舞いに訪れますが、その後から紗江子は黙り込んでしまうのです。

様々な情報から、いずれも国中のセキュリティを担っているミネルヴァ警備会社の内部に何かあると考えた黒田は、監視カメラのオリジナルを確認するために、すべてをコントロールしている会社の中枢部に入りますが、何と紗江子がいきなり警備システムをシャットダウンしてしまうのでした。

さてさて、全部で30億円くらいかかったらしい豪華絢爛たる映画なんですが、興行収入は36億円。何か、フジテレビとしてはがっかりな結果でした。

監督の西谷弘は基本的にフジテレビの演出家ですが、フジテレビがらみの映画の仕事は多数あって、それなりに堅実な成果を出していますが、この映画に限ってはやはり現地スタッフが多数入ったこともあり、どうも雑な仕事ぶりが目につきます。

とは言え、「踊る」以後の織田裕二のシリアスなキャラクターとしては、やることに多少無理はありますが、それなりに魅力があることは否定しません。この後、連続ドラマにもなって、さらに映画版第2作まで作ってますから、「踊る」以来のヒットを狙う亀山千広社長(この映画の時は執行役員)の力は相当入っていた・・・けど空回りということでしょうか。

2023年6月17日土曜日

自宅居酒屋 #70 無限キャベツ (麺無し)


マルちゃんの東洋水産から出ている「無限××」シリーズは、お手軽に大量の野菜を食べれるお手軽なところが人気のヒット商品です。似たようなものが、後追いで各社から登場していますが、元祖を上回るものは無いように思います。

セットにはインスタントラーメンを揚げたような、長崎皿うどんのような麺と醤油ラーメンの粉スープみたいなもの、そしてごま油みたいなものがセットになっていて、これに野菜を加えて和えるだけ。

ただ、揚げ麺が入る食感も楽しいのですが、カロリーがちょいと気になる。だったら麺無しで、自分で作れはいいじゃんかということになるわけ。

今回は定番のキャベツ。食べたいだけ千切りにします。別の容器にたれ・・・というかドレッシングを用意します。インスタントラーメンのスープの素がもしも余っていたら、それを使うと楽勝です。

塩少々、擦り下ろしたにんにく少々、同じく生姜少々、豆板醤少々、砂糖極少々。これらを混ぜるのに少量の水を加え、混ざったら同じくらいの量のごま油とお好みでイリゴマを入れたら出来上がり。

塩は最初少なめで、最後に味見して必要なら追加するのがおすすめ。各調味料はお好みで変更してください。いろいろと調味料を混ぜるのが大変と思うなら、合わせ中華味の元を使用してもOKです。ただし、水っぽくしないことがポイント。

千切りキャベツにたれをかけて、よく混ぜれば完成。今回はアクセントに海苔を少し混ぜました。麺無しでカロリーをきにせず、まさに無限に食べられる感じです。