アフタースクールは「放課後」。中学校の同級生たちを巡る大人になってからの「放課後」の冒険?みたいなサスペンス映画。監督と脚本の内田けんじによる、大どんでん返しが見事な作品です。
梶山商事に勤める真面目な木村一樹(堺雅人)は中学時のマドンナ、佐野美紀(常盤貴子)と結婚して、もうじき子供が生まれる。中学の同級で、今はその中学の教師として勤める神野良太郎(大泉洋)は、近所のよしみで何かと木村と美紀の面倒を見ています。
出産も間近、ある日木村は行方をくらましてしまう。しかし、偶然に会社の同僚に横浜のホテルで謎の女性(田畑智子)と連れ立っているところを写真に撮られてしまい、それが社長の大黒(北見敏之)に伝わります。
大黒は側近の唐沢に、すぐに木村を探し出せと命じます。唐沢は、探偵の北沢雅之(佐々木蔵之介)に捜索を依頼。北沢は、同級生と偽り中学に現れ、神野に木村探しを手伝わせるのです。北沢は新宿のヤクザ、片岡(伊武雅刀)に弱みがありましたが、依頼主が大黒であることを突き止め、さらに大黒と片岡がつながっていることを知ります。
木村と一緒にいたのは片岡の店でNo.1ホステスだったアケミで、片岡の元を逃げ出し木村と結託して大黒から大金を巻き上げようとしているのではないかと推察するのです。北沢にうんざりした神野は、夜になって家に帰ると、何とそこには木村がくつろいでいました。
え~、どういうこと!! という感じで、ここからは意外な事実が次から次へと出てきて、いやいや、騙されました。映画的に無駄なシーンぽいところが多々あって、何か変だなとは思ったんですが、結末がわかるとなるほどという感じ。
最後は美味しい所を大泉洋が持って行ってしまうので、主演は大泉ということでしょう。同級生としての絆のような幸福を知らず、初めから世間をひねくれて見つめているのが佐々木。いつも貧乏くじをひいていて、ちょっと可愛そうなのが堺というところ。
今ではそれぞれが主役を張れる人気俳優ですから、まとめて3人が見れるだけでも、随分と楽しい映画です。コメディが得意に俳優さんたちですが、ここではあからさまに笑わせるようなところはありません。ただ、全体の流れが半分コメディみたいなもので、そこから生まれる可笑しさがにじみ出る感じ(いわゆるシチュエーション・コメディ)。それにしても、映画としてのまとまりは、少しだけ見劣りする部分は無いわけではないのですが、脚本の妙味は抜群で、終わり方も理想的な映画です。