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2023年6月7日水曜日

探偵はBARにいる 2 ススキノ交差点 (2013)

前作のヒットですぐさま続編の製作が始まりました。橋本一監督、古沢良太脚本。そして主演の二人も続投です。

札幌ススキノで探偵稼業をしている「俺」(大泉洋)は、バー「ケラーオオハタ」を根城として、バーにかかってくる電話によって仕事の依頼を受ける。高田(松田龍平)は大学の研究員ですが、ほとんど仕事らしい仕事はせず、何かにつけ俺の仕事を手伝っています。

さて、今回の事件は、ススキノのオカマバーで人気者だったオカマのマサコ(ゴリ)が、得意の手品の全国大会で優勝。ところが俺やたくさんの仲間に盛大にお祝いをされた翌日、他殺体で発見される。

友人として犯人を捜そうとする俺は、同じ目的を持った河野弓子(尾野真千子)と出会い、彼女を依頼人として本格的な捜査に乗り出します。弓子はプロのバイオリン奏者で、ファンだったマサコの仇をとりたいと言うのです。

いろいろと聞き込みをしていくと、脱原発の急先鋒として道民から絶大な支持を得ている政治家、橡脇孝一郎(渡部篤郎)が何らかの関与があることがわかる。

しかし、その途端、街中の人々が敵となり、俺は襲撃される事態になってしまう。馴染みのヤクザは、橡脇陣営、反橡脇陣営、そして手柄をたてて橡脇にいい顔をしたいフリーの連中の3つのグループを敵に回したと教えてくれます。

俺、高田、弓子はマサコの生い立ちを追って室蘭に行ったりして、次第に橡脇が昔マサコと付き合っていた過去を清算するために殺したのではないかと考え、ついに橡脇の事務所に乗り込むのでした。

さて、今作は・・・申し訳ありませんが、かなり苦しい展開で、シナリオとしては「どうする古沢」状態です。スキージャンプ台の上で脅されているシーンから始まるのですが、ほとんど意味がわからない。いきなり緊迫感を出したかったのかもしれませんが、そこから再びスキージャンプ台のシーンに戻るまでの回想が長い。

全体に無くても困らないシーンが多すぎて、尺かせぎとしかいいようがない無駄のせいで、全体のテンポが悪い感じがします。そして、それぞれの登場人物が動き回る理由がよくわからないので、ひとつひとつの行動に説得力が無い。

アクション・シーンとしては面白いのですが、一般市民までが襲撃に加わるというのも考えられないし、政治家のキャラ設定もいい人なのかアクドイ人なのか何だかよくわからない。

一番問題なのは、犯人。2時間の映画で、95分間見せられていた展開とほとんど無関係に犯人が判明してしまう。今までの時間は何だったのかと疑問がわいてきます。また犯人の退場の仕方もなんかなぁです。

さらに、今回もヒロインのキャスティングがイマイチという気がします。尾野真千子は素晴らしい女優さんで嫌いじゃありませんが、バイオリン奏者としてイメージからはほど遠い。そんなわけで、続編に傑作無しとよく言われる通りの作品かなというところでした。