有川浩原作の「図書館戦争」の実写版シリーズの第2弾で、こちらも監督が佐藤信介、脚本が野木亜紀子が担当、主演も岡田准一、榮倉奈々のコンビです。ただし、映画ではなく、2作目の映画版公開に合わせて、TBSテレビで映画のプロローグ的なスペシャル・ドラマとして放送されました。
笠原郁(榮倉奈々)は、突然の両親の訪問によって、自分の職種が戦闘部隊であることがばれてしまいます。母親は怒り、親子の溝が深まってしまうのでした。
中澤毬江(土屋太鳳)は高校生の時聴覚を失いますが、こどもの頃から知り合いだった図書隊員の小牧(田中圭)が勧める本を読むことでたくさんの勇気を取り戻していました。しかし、小牧が耳の不自由な女子が主人公の本を勧めたことから、聴覚障害者に対する虐待という理不尽な理由によって良化隊に拘束されてしまいます。
この事件を陰で仕掛けたのは、メディア統制の主導権を握りたい文部科学省の息がかかる未来企画というグループで、リーダーは手塚慧(松坂桃李)、図書隊員の手塚光(福士蒼汰)の兄でした。慧は過去に優秀な図書隊員でしたが、図書隊の良化隊の戦闘に意義が見いだせず突然やめていたのです。
図書隊は毬江に記者会見を開かせ真実を語らせることで小牧を救出し、郁は本に対する想いをあらためて自覚し、図書隊にいる自分の意味を再確認できたことで母親と和解することができました。小牧を利用して図書隊を弱体化させることに失敗した慧は、次のターゲットを郁に定めるのでした。
というのが、スペシャル・ドラマ。主役が小牧と毬江というサイド・ストーリーが中心で、もちろん見ていなくても映画は楽しめるようになってはいますが、派手な戦闘シーンがあるわけではありませんが、「本を守る」ことの意義が深まる重要な展開です。
映画に初登場するキャラが紹介されているので、出来れば見ておいた方がより映画を楽しむことができるというものです。特に手塚慧については映画版の鍵を握る重要人物です。また、情報通の柴崎(栗山千明)が、正式に発足した諜報部に所属することになったことも知っておいた方が良さそう。
一見、地味なストーリーですが評判は高く、ファンの中では一番好きだという意見も多いようです。