クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
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2020年7月11日土曜日

Clifford Brown / Study in Brown (1955)

ジャズ・トランペッターとしてマイルス・デイビスは偉大な存在ですが、演奏者としては実は意外と上手いとは言えない。すべて楽譜に書かれているかのような流れるようなスムースなアドリブなんですが、ミストーンも少なくない。

トランペットを扱うテクニックでは、おそらくはるかに上を行くのがクリフォード・ブラウンだと思います。ブラウンは、当時のジャズ界では珍しく品行方正でドラッグには手を出していなかったと言われています。

1953年に初リーダー作を録音し、ドラムのマックス・ローチとのコンビで活躍しましたが、残念ながら1956年に交通事故によりわずか25歳で亡くなっています。

若くして早世したことで、充実した怖いもの知らずの爆発的なエネルギーを感じる演奏だけが遺り、それがまた伝説化した部分もあるわけですが、完璧なハード・バッパーの見本のような存在になりました。

わずか数年間という短い期間でしたが、多くの録音が遺されています。主なものは、EmercyレコードとBlue Noteレコードに集約されますが、Emercyのこのアルバムは、まとまったセッションで吹き込まれ、ブラウンの魅力が見事に詰まっている名盤として知られています。

ドラムはマックス・ローチ、テナーがハロルド・ランド、ベースがキージョージ・モロウ。ピアノはブラウンの弟のリッチーで、彼もまた同じ事故で亡くなっています。

他には、アート・ブレイキーとのバードランド・ライブも熱気の溢れる演奏が聴かれますが、ファイト一発だけが取り柄ではないことは、サラ・ボーン、ダイナ・ワシントン、そしてヘレン・メリルのEmercyの3人の歌姫の伴奏で証明されます。

ヘレン・メリルの代名詞のようになった「You'd be so nice to come home to」では、ワン・コーラスですが、ミディアム・テンポで歌心のある美しいソロを聴かせます。

亡くならなければ60年代、70年代にどんな演奏をしていたかと想像したくなるところですが、逆に一瞬の彗星のような輝きに凝縮した演奏を楽しむことが、よりブラウンの価値を高めているのかもしれません。