クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
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2010年8月29日日曜日

関節リウマチ 次の10年に向かって

関節リウマチ治療の21世紀の治療戦略はどんどん進歩しており、われわれ専門にしている医者も日々この変化についていくのも本当に大変なのです。まぁ、そんなことは、いつも書いていていまさらぼやいてもしょうがないのですが。

もちろん、その大きな原因は生物学的製剤が使われるようになったことであることは間違いありません。20世紀までの中心的な薬剤は免疫力を調節するような内服薬が治療の主役でした。しかし、日本でも2003年から使えるようになった生物学的製剤は、関節の中で直接病気を起こしている部分をブロックするため、内服薬より劇的な効果が期待できるわけです。

最初の数年間は、この新しい薬が実際の臨床の場でどのくらい効果をだすものかということに、医者も患者も興味が集中していました。市販されるまでには治験という調査が嫌っと言うほど行われているのですが、実際に使ってみないと結局のところ本当の薬の力は見えてこないものです。

最初に発売されたインフリキシマブという薬は、そのあまりの劇的な効果に医者も患者も驚愕したという表現は、けして大げさではありません。2時間くらいかけて点滴で投与するのですが、点滴を行っている最中に患者さんがどんどん楽になってきたと言う事もありました。

次に出てきたエタネルセプトも同じような効果があり、皮下注射で投与できるため患者さんの負担もだいぶ減ってきました。その後に点滴のトリツシマブ、皮下注射のアダリムマブが揃って、状況によっての選択肢が広がってきたことは喜ばしいことです。

長い人ではすでに7年目に入っているわけですが、さすがに使えば効くのはよくわかりました。単独での使用よりも、ある程度の内服薬を併用したほうがいいということもわかってきました。こういう場合には副作用を注意しなければいけないというようなこともデータが揃ってきています。

そうなると、当然次に知りたいことは「いつやめられるのか?」、あるいは「どうなったら減量できるのか?」ということです。一体この注射薬の治療をいつまで続けることになるのか。患者さんも医者も誰もが知りたいことなのです。

実際、大変値段の高い薬なので患者さんの経済的負担はばかになりません。内服薬での治療ならは平均して月に数千円ですが、生物学的製剤を使用すると月に数万円かかってしまいます。一生続けなければならないとしたら、かなり大変なことでしょう。

現実にはまだ使われだしてから10年もたっていないわけですから、長期的な部分については誰にもわかっていないわけです。数年前からは、そのあたりの話もばらばらに出始めていますが、どちらかというと効果が少なくなってきたときにどうやってブーストするかというような話が多いかも。

うちのクリニックでは、ある程度良好な状態を維持できている患者さんは少しずつ注射を使う間隔を伸ばしています。はじめは週に2回の皮下注射をしていたような場合で、今は2週間に一回でも大丈夫というような患者も出ています。

今はそれぞれの医者が患者さんと協力して、手さぐりでいろいろ試しているという状態ですが、ある程度まっとまったデータとして、整理されて使い方のノウハウが早く充実していくことが期待されています。

最新のトレンドでは、発症から6ヶ月以内に「治癒」にもっていきたいということになっています。これは根本的な病因がまだわかっていない関節リウマチという病気にとっては、かなり高いハードルであると言えます。

それでも、このような目標を真剣に議論しようという下地ができてきたことはまちがいない。専門医としては、ますます気が抜けない次の10年間になることでしょう。