2010年8月19日木曜日

あすなろ海水魚館 ~ 異変!

それまで見向きもしなかったカクレクマノミが、急にシライトイソギンチャクに入るようになったというのは、やはり異変だったのです。実は、前回ブログでこの話を書いた翌日から、カクレクマノミの体表面に白い点々が・・・

そうなんです。白点病です。白点病は白点虫という寄生虫によって一番多く発生する、やっかいな病気。魚の体表にくっついたり離れたりを繰り返しながら爆発的に増加、次第に鰓をふさいだりして呼吸を妨げてしまうのです。

カクレクマノミは体表に虫がついてかゆいので、しょうがなく好きではないイソギンチャクに入って、体をこすりつけているのでしょう。

これまでにも、最初の頃に何匹かに発生していましたが、その後は水そのものは落ち着いたのか出てしませんでした。今回、大リセットを行ったので、白点虫が元気になりやすい環境にもどってしまったということでしょうか。

マンジュウイチモチもやられてしまい、こちらは発病して1週間でダウン。さらに発病していなかったハタテハゼの水槽からの飛び出し事故もあり、現在残っている魚は、白点病のカクレクマノミとフレームエンゼルの2匹だけになってしまいました。

フレームだけが発病していないのが唯一の救いですが、それはそれで何で発病しないのかがよくわからない。カクレに比べれると、一般的には白点病には弱いように思うのですが。この辺が、まさに教科書通りにいかない海水魚飼育の難しいところ。

それより難しいのは、白点病り治療です。複数の水槽を使い分けて隔離治療をするのが本来なんでしょうが、なかなかそこまでのとをする時間も場所も道具もありません。

そこで、先週はひたすら水換えを行いました。ほぼ毎日、半分くらいの水を交換。これは白点虫の数を増やさない効果はあっても、焼け石に水。あとは魚の体力勝負という消極的な方法です。

今週は夏休みが終わって、診療を再開しているので、なかなかこまめに水槽の手入れがしずらい。そこで登場したのが新兵器、パラサイト・リムーバーという添加剤なのです。水槽内に混入するタイプは管理が簡単なのですが、白点虫へのダメージは水槽内のほかの生き物にもよくないわけで、とくにサンゴやイソギンチャクのような無脊椎動物には禁忌のものがほとんど。

その点、これは生物学的兵器みたいなもので、環境破壊は最小限ですむということで期待大なのです。ただし、海水のpHがさがってしまうので注意が必要なことと、プロテインスキマーで白点虫を外に追い出していくというのが大事。

スキマーはそれほど効果的なものを設置していないので、うちの場合はこまめに水換えをして対応するしかありません。しかし、確かに少しずつですが使い出してからカクレの白点が減ってきたように思います。

とにかく、次の週末が勝負でしょう。手入れができない日曜日をこえて週が明けたときに生き残っていれば、勝利を手にすることができるかもしれません。ふぅ~ぅ~・・・