2013年4月23日火曜日

リウマチ講演会 @ 横浜

横浜の駅近に行くのは、久しぶりです。開業医向けの会では、しばしば使われるキャメロットジャパンで、リウマチ講演会というのは、自分は初めてでした。

今夜の講演は内服薬についてで、最近は何かというと生物学的製剤の話ばかりなので、ちょっと新鮮でした。実は、講演する先生が女子医でお世話になった方で、数年前に退職された教授だったのです。お会いするのは2年ぶりくらいでしょうか。

リウマチ治療では、どうしても生物学的製剤が強力な効果を発揮するので、可能であれば使いたいと考えがちです。しかし、値段が高い−−−毎月4万円くらい必要ですから、おいそれとは使えないという方は少なくありません。また、使いたくても副作用の心配がある方や、使ったけど効果がでないということもあります。

そういう色々な状況を考えると、寛解という目標に向けて治療の計画を考える事が当たり前となってきた最近であっても、従来の物も含めて、内服薬もうまく使いこなせることは、大変重要なことなのです。

実際、うちのクリニックでも内服薬だけの患者さんと生物学的製剤を使っている患者さんじゃ、半々くらいで、特に最もよく使うメソトレキサートの増量が可能になってからは、ますます内服薬の重要性が増しました。

最近気になっているのは、若い先生、特に10年目くらいまでの医者は、自分が医者になった時に、すでに生物学的製剤が存在していて、さんざんその絶大な効果を聞かされて育っています。彼らは内服薬をうまく使うと言う事を知っているのでしょうか。

実際、たまたま他のことで大きな病院にかかった患者さんが、せっかくだからとリウマチ科に回され、そこで生物学的製剤を勧められて帰ってきました。ところが、その患者さんは内服薬だけで、自覚症状はほぼ消失し、血液検査でもほとんど炎症が出ないくらいになっているのです。

生物学的製剤を使ってはいけないとは言いませんが、使うだけの必然性は少なくともありません。その先生は若い10年前後の医者だったようで、おそらく自分で内服薬による治療を実践した経験はほとんどないのかもしれません。

整形外科でも、若いうちは何でも手術をしたくて、しなくても治せる骨折も手術をしたりすることはよくあることです。本当に誰のための医療を行うのか、よく考えてみないといけません。よく言われることですが、自分の家族にできない治療を患者さんにしてはいけません。

とにかく、あらためて治療の色々な選択肢をしっかりと患者さんに提示できるように、勉強を続けないといけないと思った講演会だったというわけです。