昨年の新車登録台数で、トヨタのハイブリッド車でこの数年ダントツの販売台数を誇っていたプリウスがアクアに抜かれそうです。上位4台の数字は以下の通り。()内は昨年の記録。
アクア 282,660 ( - )
プリウス 280,990 (252,528)
フィット 170,990 (207,882)
ノート 115,530 (46,475)
この話、ちょっと気をつけないといけない。というのも、プリウスとしてカウントされているのは、普通のプリウスとプリウスαが合算されているのです。フィットの場合も、ガソリン車、ハイブリッド車が合わさった数で、またフィットもシャトルも含まれています。
アクアはもともとプリウスCとして開発され、実際海外ではプリウス名がつけられているわけですから、実質的にはプリウス・ファミリーが、昨年の倍以上の56万台売れたということでしょぅか。
2011年の震災で、事実上生産できない状況があり、昨年はそのリバウンドで自動車業界は活気づいたはずですが、このあたりを見ると、ほとんどトヨタだけがうはうはだったことがわかります。
ホンダのほぼ唯一とも言ってよいフィットについては、震災前でも18万台。震災後景気の影響を感じさせない所か、シャトルの投入もそれほど効果を上げていないというところが痛い。本来増加しそうだった分が、アクアに食われたと見るのが自然。
アクア登場前のトヨタの小型人気車種のトップだったヴィッツは販売台数を減らして、トヨタ内での「派閥争い」は決着した感があります。
注目なのは、日産のノート。台数を倍以上に伸ばし、ヴィッツやフィットにかわるガソリン小型車として躍進。コマーシャルをクールなアニメから、人気の嵐にキャラクターを変更したことがかなり関係しているのかもしれません。もっとも、マーチが大きく順位を落とした事も忘れてはいけません。
フィット以上に残念なのがマツダのデミオ。ガソリン車でもここまでできるを売りにして期待されたのですが、まったく売り上げ増にはつながっていない。開発費の分だけ赤字を作っている可能性が高く、やはりガソリンで追求というのは今の時勢には受け入れられなかったということでしょぅか。
まぁ、とにかく、プリウス・ファミリーはこの時代の現実的な選択肢という結果が、数字として明らかになったわけです。ただ、ハイブリッド車というのも、過渡期の製品であろうことは予想され、どんなに長くても次の10年はもたないかもしれません。
早ければ、数年後には電気自動車があらたな自動車のスタンダードになっていくことでしょうし、実際のところ地球温暖化や化石燃料の枯渇というような問題を考えればそうあるべきでしょう。