今日はGW連休の間の平日。クリニックは、午前中は患者さんが多くて、10時ですでに1時間待ち。もう、開き直るしかない状況でした。天気が悪くなる予報だったせいもあるんでしょう。
さてさて、連休中にやりたこと・・・と言うほど大袈裟な事ではないのですが、一冊の本を買い込んだので、是非この1週間で読んでおきたい。
で、タイトルは「小澤征爾さんと、音楽について話をする」という長いもの。日本人マエストロとして、注目を集める小澤征爾との対談本で、聞き手は出す本が爆売れが続く村上春樹。
村上春樹氏は、今までもその著書の中に、豊富な音楽知識を盛り込んできました。冒頭に、この本の成り立ちが書かれていますが、ジャズとクラシックについては相当思い入れがあるようです。
村上氏とは、立場も違いますし、そもそも人間の大きさも比べ物にならないほどちっぽけではありますが、自分もまさにその通りという思いがあるので、勝手に村上氏とは友人になったような気がします。
昔から、小澤氏と面識があって、いろいろと話をしているうちに、是非書き留めておくべきことが多々あったということです。いきなり出てくるレナード・バーンスタインとグレン・グールドの逸話だけでも、クラシック・ファンには気持ちを鷲掴みされる。
ブラームスのピアノ協奏曲のプログラムで、ソロイストのグールドが通常よりかなりゆっくりのテンポをリクエストして、指揮者 のバーンスタインと確執が生じ、何と演奏の前に「これは私の好みではなく、あくまでもグールドの音楽」という内容の前代未聞のアナウンスをしました。
小澤氏は、当時バーンスタインのアシスタント指揮者で、その場に居合わせたということです。その裏話的なところは、是非詳しく聞きたいというのは、村上氏だけではなく、自分も同じ。
それと、ふだんは独奏曲か、少人数編成の室内楽が好きで、オーケストラ物はあまり好きではない自分ですが、指揮者がどんなことを考えているのか知る事ができると、オーケストラを聞き込むためのきっかけになるかもしれないと思いました。
さらに、この本を読もうと思ったきっかけが、対談中に出てくるクラシック曲を網羅したCDが発売されたことです。この手の本は、音楽そのものが聞こえてくるだけで、楽しさが倍増することは間違いが無い。
もともと、クラシックをあまり聴かない人も、本とCDのセットを是非揃えてみてください。きっと、クラシックを好きになる一歩になることでしょぅ。