三位一体節後第18主日です。繰り返しになりますけど、本当に三位一体節後というのは長い。1年の半分近くを占めているのですから、キリスト教では半年あれば、ほとんどすべてのイベントが終わってしまいます。
まぁ、バッハにとっては、一番忙しくなる時期が終わってから、ライプチィヒに着任したわけで、この期間に毎週の仕事をこなしながら、来年の春の準備をあれこれしていたんでしょう。
今日のカンタータは2曲が残されています。
BWV96 主キリスト、神の独り子(1724)
BWV169 神にのみ わが心を捧げん (1726)
BWV96は、あまり特徴はない、よくあるパターンで、時間も20分程度の標準的なもの。
それに対してBWV169は、なかなか面白い。まず冒頭のシンフォニアが、けっこう長い。これだけ聴くと、オルガン協奏曲と呼んでもいい感じ。
ここは、楽器演奏者のアンサンブルを、しっかりと聴かせたかったという意思が表れています。このシンフォニアは、1738年にチェンバロ協奏曲の第1楽章へ転用されることになります。
歌唱については、この曲はアルトの独唱になっていて終曲のコラールを除いて、5曲の独唱曲が続きます。よほど優れたアルト歌手が、ライプツィヒに滞在していたのでしょうか。
オルガン主体の伴奏で、アルトの独唱というのは、ちょっと新鮮。最後のコラールは、1分程度ですが、初めての合唱ですから、けっこう目立って終わります。
ガーディナー先生のCDでは、三位一体節後第25主日用の
BWV116 汝平和の君、主イエス・キリスト(1724)
そして、ワイマール時代に作られた
BWV668 コラール 「汝の御座の前に、われ進み出で」
の2曲が併録されています。