2014年11月2日日曜日

三位一体節後第20主日

2014年の11月に入って、最初の日曜日です。キリスト教の暦では、三位一体節後第20主日になります。

バッハの活躍した17世紀後半から18世紀前半、ヨーロッパの啓蒙思想の時代と呼ばれています。啓蒙思想は、英語だと Enlightenment、仏語だと Lumieresとなり、どちらもなんとなく馴染みがある言葉。

ただ、哲学的な話は、どうもよくわからない。哲学とは簡単なことを難しくする学問である、とはゲーテの名言。

実際に啓蒙思想の表れとされる事例を見てみると、例えば聖書の中の「ノアの箱舟」の話は、超自然現象ですが、実際に起こったものとしてどういう現実があったかを研究しようということらしい。

現在、モーゼのエジプト脱出は歴史上の事実とされ、海が割れて追ってきたエジプト軍の船が飲まれてしまうのも、嵐による転覆と考えられています。

つまり、原点に立ち返って理性をもって物事を合理的に理解していこうという考え方が啓蒙思想なのでしょう。現代でも、この流れは意識しないところで普遍的な考え方として定着しているわけです。

一方、それに対して回帰的な思想、つまり超常現象を積極的に認めていくような流れも、啓蒙思想の誕生とともに現在まで存在しています。キリストの復活・昇天などは、科学的にはあり得ない代表的な事象ですが、できることならバッハに直接どう思うか聞いてみたいところ。

三位一体節後第20主日に用いられたカンタータで、残っているものは3曲です。
BWV162 ああ、いまわれ婚筵に行かんとして (1716)
BWV180 装いせよ、おお わが魂よ (1724)
BWV49 われは行きて汝をこがれ求む (1726)

三位一体節後はあと一か月、バッハもやる気が有るのか無いのか、この当たりになると曲としては目立って面白いところは少ないわけですが、時折デュエットがよかったり、オルガンの伴奏が楽しかったりはします。

早く来い来い、クリスマス。