三位一体節後第21主日です。キリスト教の暦は、固定した祝日もありますが、日曜日の呼び方は毎年変動する復活祭によって決まります。今年は、三位一体節後はあと2回、第23まで。11月30日から待降節となり、新しい年度に入ります。
300年前のライプツィヒでも、だいぶ寒くなって、バッハも雪のちらつく空を眺めながら曲の構想を練っていたのかもしれません。
今日のカンタータは、4曲残っています。
BWV109 われ信ず、尊き主よ、信仰なきわれを助けたまえ (1723)
BWV38 深き悩みの淵より、われ汝に呼ばわる (1724)
BWV98 神なしたもう御業こそ いと善けれ(1726)
BWV188 われはわが依り頼みを(1728または1729)
BWV109は、タイトルからして、「信じるから信じていない私を助けて」という矛盾を含んだ内容。演奏も弦が比較的活躍し、全体的に重みのある雰囲気を出しています。たいていあっさりと終わる最後のコラールも、弦のからみがはっきりしていて、重厚感があります。
BWV98は、冒頭コラールのみで、終結コラールがないという形で、伴奏も最低限というあまり言うべきところがないもの。
BWV188の第1曲は、オルガン協奏曲のようなシンフォニアになっています。オリジナルは前半の譜面が失われていますが、最初オルガン協奏曲に直され、さらにバイオリン協奏曲をへて1738年にチェンバロ協奏曲 BWV1052 第3楽章として残っているもの。
ガーディナー先生の、1999年のクリスマスから始まり2000年のクリスマスまでの1年間で行ったカンタータ巡礼の全曲演奏会では、当然最後のほうに収録されています。
1998年に収録された三位一体節後カンタータ集にもBWV98が収録されていますが、やや早めの演奏。歌い方もたんぱく、録音もややオフマイク気味で、地味な曲がさらに地味に聞こえます。