今年(2014年)は、三位一体節後は第23主日で終わりです。昨日、これでお終いとしていたのに、また今日も三一体かと思われるでしょうが、それには理由があります。
キリスト復活の日は、春分の日の後の最初の満月が過ぎた、最初の日曜日と決まっているため、3月下旬から4月下旬までの期間で復活祭は変動することになりました。
そのため、その後の教会暦も、年によって1ヶ月程度のずれがあるわけです。しかし、クリスマス、つまりキリストの誕生日は動きませんから、三位一体節後の長さを調節して教会暦が作られるため、最大で第27主日までいくわけです。
バッハが用意した、第24主日のためのカンタータは、
BWV60 おお 永遠、そは雷のことば (1723)
BWV26 ああいかにはかなき、ああいかにむなしき (1724)
BWV60では、恐怖を語るアルトと希望を語るテノールの対比が主軸になっています。BWV26でも、冒頭合唱がゆったりとした高音部、早いテンポの低音部、力強い弦が絡み合うところが見事。
第25主日のためのカンタータは、
BWV90 怖ろしき終わり汝らを引きさらう(1723)
BWV116 汝 平和の君、主イエス・キリスト (1724)
大きな災いの中、偽者の預言者が登場し誘惑するが、それに耐えたものが救われるという内容の説教に基づく内容。BWV90では、最後にだけ合唱(コラール)が入ります。
第26主日のためにカンタータは、
BWV70 目を覚まして祈れ!祈りて目を覚ましおれ!(1723)
もともとは、ワイマール時代に書かれた歌詞のみ残っている待降節用の旧作を利用したもの。
そして、第27主日のためのカンタータとして、バッハとかカンタータにまったく興味が無い人でも知っている、BWV147と並ぶ有名曲となっている、
BWV140 目覚めよ、と われらに呼ばわる物見らの声(1731)
「目覚めよと呼ぶ声あり」というタイトルが知られ、特に第4曲のテノールによって歌われるコラールが有名。
ガーディナー先生のカンタータ巡礼でも、近辺でばらばらに演奏され、これらはVol.9、10、11、12、 19に分散されて収録されています。
当時のライプツィヒでは、待降節は華やかな事はしないという決まりがあって、このあとバッハの毎週のカンタータはお休みになります。