関節リウマチに関する主要な学会は、国内なら日本リウマチ学会があります。当然、自分も長らく会員になっていて、必要な情報を得ているわけですが、残念ながら今のリウマチ学を推進しているのは、アメリカとヨーロッパであることは否定できません。
ヨーロッパ・リウマチ学会(EULAR)は毎年6月に開かれますが、近年はかなり勢いがあって、最新の情報の発信源としての重要度は増しています。
アメリカ・リウマチ学会(ACR)は、最近おされ気味とはいえ、リウマチ学の老舗として今でも大きな役割を果たしています。20世紀に使われていた、診断のための基準、治療のためのガイドラインなど、リウマチ診療の重要なポイントはすべてACR主導でした。
ACRは、毎年11月に開催されますが、今年は11月14日~19日にボストンで行われました。大学に勤務している場合は、日常の仕事を他の人にお願いして、1週間出かけてくるということが可能ですが、開業医ともなるとそんなことをしてはいられません。
しかし、長短あるネット社会ですが、いいところの一つとして、ボストンまで脚を運ばなくても、とりあえず発表された概要くらいはインターネットで参照できるわけです。
とは言っても、英語で最新医学の内容を読みこなすというのはなかなか難しい。特に抄録は、発表内容のエッセンスで、作る側は決められた文字数内に絞り込んでくるものですから、ちょっと読んでもなかなか理解できません。
そうなると、大切なのは、製薬会社が提供してくれる情報もその一つ。ただし、製薬会社は自分たちに有利な情報しか教えてくれません。そのたりは、こちらも十分に考慮しておかないといけない。
もう一つ大事なのが、講演会。講師を依頼される先生となると、ACRやEULARはたいてい出席するものです。大きな学会の後に開かれる講演会では、学会のトピックスなどが紹介されることが多いので、なかなか聞き逃せません。
リウマチ診療は、21世紀になって激変し、新薬は戦国時代の様相を呈しました。最近は、やや落ち着いてきて、診断学が整理され、新薬の治療も一定の評価がされました。今後は、リウマチの根本的な原因の特定が求められのでしょうか。
開業医とは言っても、アンテナを張り巡らせて、最新情報をチェックし続けないといけないのは同じ。そういう意味では、日本整形外科学会のレベルの低さは、本来整形外科医の自分としては残念でなりません。