韓国の第20回釜山国際映画祭で、「アジア映画ベスト100」という企画があるそうで、ベスト10内に日本の測品が3つ入りました。
まぁ、大方の予想通りと言えばそれまでですが、一位に小津安二郎の「東京物語」、2位と7位に黒澤明の「羅生門」と「七人の侍」です。
ベスト何とかというのは、基本的に好きか嫌いかみたいな主観的要素が多いものですから、それに従わなくてもまったく困らない。とは言っても、なんとなく気になるものです。
じゃあ、何で好きで、何で嫌いなのかというと、いろいろな要素が混ざってくるんでしょうね。
例えば、感動するかしないか、記憶に残るか残らないか、もう一度見たいか見たくないか、誰かに薦めたいかしたくないかなどなど・・・
いずれにしても、ここででできた作品は、世界的なランキングでも上位に入る常連作品ですから、名前が出できてもあまり新鮮味はなく、まぁそんなもんだろうみたいなところ。
逆に言うと、それ以降に日本の映画で世界にインパクトを与える作品が無いということ。何とか映画祭の賞を取りましたみたいな話は時々ありますが、なかなかその評価が定着していかない状況があるのかと思います。
「羅生門」は60年以上前の作品ですから、リアルタイムで見たという人はすでに80歳以上になっているわけで、当然ランキングを決める審査員などは、ビデオで鑑賞したという世代が中心でしょう。
自分も映画館に行かない映画ファンですから、それがダメとは言いませんが、すでに「名作」というバイアスがかかった状態で見るということは、新しい作品からすればずいぶんと不公平なことかもしれません。
ビートたけしは監督として外国でも評価が高いのですが、名作としてランキングされるのかどうかは、10年、20年たって評価が熟成しないとわかりません。
いずれにしても、テレビ局が主導するものが増えて、視聴率の延長で作られるものばかりが話題になる今の日本の映画界では、今後世界中から評価される作品は出ないのでないかと・・・ちょっと、残念な気持ちになってしまうのは自分だけでしょうか。