ズームレンズでは、焦点距離を変えられるので、近くの物から遠くの物まで幅広く撮影ができて重宝します。でも、もともと写真機についていたレンズというのはズーム機能なんて無いわけで、焦点距離が固定されたものが一般的でした。
そういうレンズを単焦点レンズと呼ぶわけですが、その中でも焦点距離50mmというのが、通常「標準レンズ」と呼ばれ、一眼レフカメラの王道のような位置づけになっています。
何故50mmなのかというと、このレンズで見たものが、普通に肉眼で見ているものに最も近い状態だからと言われています。確かにズームレンズで、焦点距離を変えてみる時に、ファインダーを覗きながら反対の目でまわりを一緒に見ていると50mmくらいのところが、もっとも両目に入ってくる画面がかさなります。
そして単焦点レンズの、最大の利点は、ズームのような複雑な機能が無いので、レンズ構成が簡単。その分光をとりこみやすいために、明るいレンズにできるということ。明るいレンズの方が、一眼レフらしいボケの効いた写真を撮影しやすくなります。
明るいレンズというのは絞りが大きく開くということで、F値で表示されるわけですが、今売られているレンズの中では、最も明るいのはF1.4というもの。
そこで、一番明るい標準の単焦点レンズが欲しくなるわけなんですが、これについても安さと性能から選んだのは純正ではなくSIGMAのもの。
SIGMA 単焦点標準レンズ Art 30mm F1.4 DC HSM APS-C専用です。焦点距離30mmというのは、フルサイズ換算で45mmになりますから、ほぼ標準の50mmに近い。F1.4はこれ以上の明るさは、現状では望めません。
ボケの強弱は、被写体深度というものに関係してきます。被写体深度というのは、ピントが合う範囲のことで、広い場合は近くの物から遠くのものまでシャープに写ります。狭い場合は、ピントが合っていない距離の物はぼけい写るわけです、これには絞りが関係してくる。
絞りが大きく開くものほど、つまりF値が小さくなればなるほど被写体深度は狭くなるという理屈。
望遠ズームレンズだけでは、どうしても足りない「レンズの明るさ」は、このレンズでカバーしたいと考えました。