高校生の時・・・バンド小僧だったんです。とは言っても、特にすごくうまく扱える楽器があったわけではないので、どちらかというとナンチャッテ状態だったことは確か。
それでも、当然洋楽、しかもロックは高校生の憧れで、誰もがギターをかき鳴らして、当時三大ギタリストと呼ばれたエリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ヘイジになったつもりでかっこつけていたものです。
一番若いペイジは、レッド・ツェッペリンの解散とともに、ほぼ活動は終了状態。自分的には、当時一番好きだったのはベックでしたが、90年代以降はよく日本には来ますけど、マンネリ化は否定できず、新しいアルバムも興味が持てません。
一番年上だったクラプトンは、去年70歳。もう、完全に爺さんなんですが、いまだにコンスタントにアルバムを出しているし、いい感じに年を重ねて、爺さんなりの味がある。
昨年は、コンサート・ツアーは引退宣言をして、生クラプトンはもう見れない・・・というわけで、1年前のその最後のツアーのライブがCDとビデオの両方で発売になっています。とは言っても、先月また何度目かの日本公演をしましたけどね。
バンド・メンバーもみんな爺です。なんか、悪ガキが爺になるとこんななんだろうな、と思うようなステージ。でも、これはこれでいいんですよね。
2000年ごろの"One man One Rider"あたりから、もうやりたいようにやります状態のクラプトンですから、最近は原点のブルースが目立ちます。ヒット狙いのキャッチャーな曲はあまり出てこない。もう今どきの小僧たちなんかついてこれないでしょう。
もちろん往年の人気曲もやります。とは言っても、昔のままというのはほとんどない。今風のような、古臭いような絶妙なバランスで、このあたりりがクラプトンが第一線でステージに立てている理由なんでしょう。
クラプトンの初来日は1974年。もう40年以上前ですよね。武道館行きました。オープニングは、何とチャップリンのスマイルをアコースティックで歌ったんですよ。さぞかし、エレキでドバーっと始まると思っていたので度肝を抜かれたんです。
クラプトンといえば、その前長いことドラッグで身も心もボロボロで、再起不能みたいに伝えられていました。親友のジョージ・ハリスンの奥さんと浮気しているとか、もうスキャンダルだらけ。
しかし仲間のサポートで何とか泥沼から這い出して、ニュー・アルバムを引っ提げての初来日。スマイルという曲の中に、当時の心境が目一杯詰まっていたんでしょうね。
それから、 アメリカ南部ロックをしばらく続けましたが、ポップになって、ジャズ風になって、いろいろと変わってきましたか、いつでも根底にあるのはブルース。
70歳になったクラプトン。これまでもずっと聴き続けてきた御大の、やり尽した集大成のステージなのかなと思うと、このビデオは感無量と言わざるをえません。