2018年9月3日月曜日

雨を雨らしく

f/5.6  1/160sec  ISO-800  160mm

突然のゲリラ豪雨というのは、今や普通になってしまった日本です。昭和の昔の「夕立」という、風情のある呼び名は完全に消滅した感があります。

さて、雨を写真に撮るというのはけっこう難しい。なにしろ基本的に透明な水ですからね。

黒澤明の「羅生門」では、白黒の画面に雨筋を美しく映し出すために墨汁を混ぜたというのは有名な話。テレビドラマで雨のシーンを撮影するときは、まさにゲリラ豪雨なみに散水してやっと降っているのがわかる程度になります。

雨滴の落下速度は、霧雨で2m/sec、大粒だと最大で10m/sec程度といわれています。

昨日の豪雨の時に、いろいろ試してみて、上の写真ぐらいが一番雨らしく思えました。シャッター速度は1/160sec(0.00625秒)ですから、一つの雨滴は6.25cm移動していることになります。

1/100secだと、雨筋が長くなって全体に白っぽくなって霧で煙っているような感じ。1/640secだと雨筋ではなく雨の点になってしまい、ただのノイジーな感じがする写真でした。

ということで、豪雨を豪雨らしく撮影するのは、個人的には1/160secのシャッター速度がおすすめということでした。