2018年9月9日日曜日

匠の蕎麦打ち (3) きる

f/2  1/80sec  ISO-200  58mm

「手打ちそば おおつか」は、横浜市都筑区、港北ニュータウンと呼ばれるセンター南駅とセンター北駅のちょうど真ん中あたり、偶然にも大塚という交差点の近くにあります。

絶品手打ち蕎麦の店として、今までに何度もメディアに取り上げられている実力は本物で、いろいろと食べ歩いた中ではダントツの美味しさを提供してくれます。

その匠の技を見たいと思い、写真に撮らせてもらいました。蕎麦粉に「水まわ」して捏ねて「そば玉」にし、手で押して「地のし」麺棒で「丸だし」、角を作る「四つだし」を経て、「本のし」で薄い生地が出来上がりました

これを20cm程度に折りたたんで切る作業にはいります。

包丁は専用のけっこう大きなものを使い、小間板に沿わせて押し出すような感じで切っていきます。「おおつか」の蕎麦は細くて、太さは1mm程度。

慎重さが必要なところですが、さすがに長年やっていることですから、どんどん切れていきます。

f/2  1/80sec  ISO-200  58mm

ある程度切ると、これをそっと持ち上げ、軽く振るうようにして打ち粉を落とします。ここまで比較的力強さが目立つ工程でしたが、この時ばかりはやさしく愛でるように切り終わった蕎麦を扱っているのが印象的でした。

f/1.4  1/200sec  ISO-80  58mm

すべて切り終えて、その日の分の蕎麦が出来上がりました。だいたいざる50枚分くらいなんでしょうか。ここまでかかった時間は40分程度。意外に早くて驚きました。

あとは注文があるたびに、大量の湯で茹でるわけですが、茹で時間はだいたい20秒程度。本当にお湯の中をくぐらす程度で、すぐに冷水でしめて出されると、匠の絶品を味わえるということになります。

出し切れば店終いです。土日だと11時半から1時くらいまでで無くなってしまいます。

どうしても、ずっと下を向いて行う作業なので、匠の表情がなかなかとらえることができませんでした。以前に一度テレビの取材で、顔を上げてほしいと言われてやってみたそうですが、やりにくくてしょうがなかったそうです。

顔がはっきり見えなくても、手元や背中で熟練の技を感じることができたように思いますが、それを写真として表現できているかは・・・いかかでしょうか。