f/1.4 1/125sec ISO-400 35mm
写真の場合、横長の構図にするのか、縦長の構図にするのか、というのは何気なくカメラを構えてしまうとデフォルトが横長ですから、そういう写真が多くなってしまいます。
似たような話はすでに書いていますが、もう一度実際の写真で見てみます。
東急田園都市線のたまプラーザの駅舎ですが、何年か前に改築されて天井がものすごく高くなり、商店街を包み込むような奥行きのある屋根が設置された感じになりました。
まず上の写真。元々は、もっと周囲が入り込んでいるのですが、横長にトリミングしました。目の動きはどちらかというと水平が自然なので、ピントの合っている時計から始まって左から右へ視点が移動して、深い奥行きを感じ取ることができます。
次は縦長にトリミングしてみましょう。
今度は、下の時計から視点の移動は上に積極的に動くと思います。その結果、随分と天井までが高いという印象をもつ写真になりました。
一般的な風景のように水平に広がりがある場合は横長が適していて、その場合をlandscapeと呼びます。一方、人物中心に撮影するような場合は縦長が収まりがよく、portraitと呼んでいます。
シャッターを切る前に、自分が撮影したいと思っている状況が何かを意識する、そしてそれをどのように表現したいのかを少しでもイメージしておくことは、写真の出来を大きく左右するということです。
もっとも、デジタル時代ですから、これみたいにあとからパソコンで修正することは可能ですが、必ずいつでもできるとは限りません。場合によっては、いじりようがない場合は少なからずあるものです。
カメラを構えなおすにしても、写真を見て視点を移動する場合にも、縦長のportraitの場合は、意識的に変更をしないといけないので、意味もなく縦長の写真にすることは避けた方がよさそうです。
でも、逆に縦長の必要性を感じた場合は、より積極的に利用することが写真の「面白さ」を増大させてくれることは間違いありません。