八千草薫さんが亡くなりました。
「昭和の大女優」みたいな表現をすぐにしてしまいますが、八千草さんは平成でもコンスタントに活躍を続けていたわけで、いつも年齢に応じた可愛らしいほのぼのとした味を出し続けていました。
元々、宝塚出身ですから不思議ではないのですが、自分が持っているDVDで八千草さんが主役をしているのは、なんと「蝶々夫人」です。言わずと知れたプッチーニのオペラ。
長崎が舞台で、令嬢である蝶々さんとアメリカ海軍士官のピンカートンとの恋愛悲劇ですが、これをイタリア映画として作成した際に蝶々さんを演じたのが八千草さんで、さすがに歌唱はプロのソプラノ歌手が行った60数年前の映像。
オペラ映画としては、それほど名作とはいえないかもしれませんが、外国の歌手が演じる「蝶々夫人」でいつも感じる強烈な違和感がなく、素直に物語を楽しめるものです。
自分は特別に好きな女優さんというわけではありませんでしたが、実は、父親がファンだった・・・ということで、出演されているといつも気になる存在。このオペラ映画を代表作とは呼ぶことはありませんが、「この頃が父親の好きな八千草さん」だったのかなという感慨も持ちます。
合掌