細かい専門的なことは知りませんけど、楽しくなってくるということは、いわゆる「音楽がわかる」ということなんでしょうか。
ルツェルンでのアバドの一番いいのは、とにかくこの音楽を演奏することが本当に楽しいという様子が全力で伝わってくるところ。これはビデオならではのもので、アバドやオケの面々の表情や、マーラー独特のオケの動き、マニアックな楽器の登場など見所満載て゜す。
楽しくなるとさらに掘り下げたくなるというのが人情で、まずはアバドの他のマーラーのCDを探してみました。どうも海賊盤もいくつか出回っているようですが、これらは簡単に手に入るわけではないので除外します。
正規録音としては1976年シカゴ交響楽団との第2番「復活」がスタートですが、アバドの職歴と共にオーケストラが変わっていき、最終的に3回のチクルスがあるにもかかわらず、同一楽団での全集完成は一つもありません。
シカゴ交響楽団
第1番(1981)、
第2番(1976)、
第5番(1980)、
第6番(1980)、
第7番(1984)、
リュッケルトの詩による5つの歌曲(1981)
第2番(1976)、
第5番(1980)、
第6番(1980)、
第7番(1984)、
リュッケルトの詩による5つの歌曲(1981)
ウィーン・フィルハーモニー
第2番(1992)、
第3番(1980)、
第4番(1977)、
第9番(1987)、
第10番(1985)
第3番(1980)、
第4番(1977)、
第9番(1987)、
第10番(1985)
ベルリン・フィルハーモニー
第1番(1989)、
第3番(1999)、
第4番(2005)、
第5番(1993)、
第6番(2004)、
第7番(2001)、
第8番(1994)、
第9番(1999)、
少年の魔法の角笛(1999)、
亡き子を偲ぶ歌+私はこの世に捨てられて(1992)
第3番(1999)、
第4番(2005)、
第5番(1993)、
第6番(2004)、
第7番(2001)、
第8番(1994)、
第9番(1999)、
少年の魔法の角笛(1999)、
亡き子を偲ぶ歌+私はこの世に捨てられて(1992)
以下配信のみ
第10番+大地の歌(2011)
ルツェルン祝祭管弦楽団
第2番(2003)
以下DVD、BDのみ
第1番(2009)、
第3番(2007)、
第4番+リュケットの詩による5つの歌曲(2009)、
第5番(2004)、
第6番(2006)、
第7番(2005)、
第9番(2010)
第3番(2007)、
第4番+リュケットの詩による5つの歌曲(2009)、
第5番(2004)、
第6番(2006)、
第7番(2005)、
第9番(2010)
以下配信のみ
第10番(2011)
シカゴ響とウィーンフィルでは第8番が抜け、第2番がダブリになっています。ベルリンフィルでは、第2番が足りない。そしてルツェルンでも第8番が不足しています。
正規発売されているものとしては、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団との第4番、第9番がビデオになっています。
そして、実はベルリンフィルで不足している第2番については、ネットを探すと1996年の日本公演でのNHKで放送されたライブ映像があるんです。これで補完すればベルリンフィルで全集が完成できます。
ちなみに、ベルリンフィル就任ライブの第1番の映像も見つかります。また、ルツェルンは2016年にシャイリー指揮で第8番が演奏されたので(BDあり)、これを加えればオーケストラとしてはチクルス完成。
ちなみに、ベルリンフィル就任ライブの第1番の映像も見つかります。また、ルツェルンは2016年にシャイリー指揮で第8番が演奏されたので(BDあり)、これを加えればオーケストラとしてはチクルス完成。
アバドの生前に唯一「全集」として発売されたのはDGからのもので、ベルリンフィルが中心で、シカゴ響、ウィーンフィルを部分的に取り混ぜたもの。ところが、世評としてはベルリンフィルのものは、ちょっとイマイチ。
アバド集大成のシンフォニー・ボックスには、ルツェルンの第2番を含めてベルリンフィルだけの「全集」が含まれています。
アバド集大成のシンフォニー・ボックスには、ルツェルンの第2番を含めてベルリンフィルだけの「全集」が含まれています。
シカゴ響は、全体的に若さが溢れ明晰さもあるサウンドで評判が良い。韓国ユニバーサルがメモリアルとしてシカゴ響をメインにした全集を発売しましたが、現在はほぼ入手不能です。
「全集」からはずされたシカゴ響との演奏は、アバとのシカゴ響ボックス(DG)に含まれているので、これらを全部取り混ぜて、ほぼすべてが揃うことになります。