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2019年11月3日日曜日

独断のマーラー・ランキング

イギリスの音楽雑誌が、151人の指揮者に行った「あなたにとっての10大交響曲は」というアンケート結果では、第1位ベートーヴェン「英雄」、第2位同じく「合唱」、第3位モーツァルト「ジュピター」でした。

しかし、その後に続く第4位に第9番、第5位に第2番「復活」、第10位に第3番という具合にマーラーが10位までに3曲ランクインしています。

だいたいこの手のランキングは個人の好みもかなり関係するので、だから何? 的なところはありますが、ネットを眺めているとわかりやすい第1番、短くて聴きやすい第4番、アダージェットが有名な第5番あたりも人気が高い。

人気が低いものだと、未完成の第10番はしょうがないとして、大がかりすぎて聴く機会が少ない第8番も入ってくる。第7番は全体の統一感がなく、時には「失敗作」の烙印を押されているせいか、プロ・アマ問わず最下位で一致しそうです。

となると、残った問題は第6番。演奏する側からすると、いろいろな変わった楽器、というか道具を必要とする煩雑さがありそうです。聴く側からは、出だしがダースベイダー。マーラーではお馴染みの歌が含まれていないのも、人気を分けるところかもしれません。

このところ集中的にマーラーを聴きこんできた結果として、現在までの自分のマーラーのランキングを考えてみました。とは言っても、きっちり順位をつけることは難しいので、好き、嫌い、どっちでもないの三択にしようかと思いましたが、それも難しい。

まぁ、はっきり言って嫌いだったら聴かないわけですから、嫌いというラベルはつけようがない。まずは全曲を簡単に評価してみます。

交響曲第1番 短めでわかりやすいが、まだマーラーらしさが少ない。
交響曲第2番 合唱・独唱が入ってドラマチックで聴きごたえあり。
交響曲第3番 マーラーらしさが完成した感じだか、さすがに長すぎて疲れる。
交響曲第4番 独唱の入る第4楽章が素晴らしい。
交響曲第5番 アダージェットの印象が強すぎて、それ以外が頭の残りにくい。
交響曲第6番 かっこいいの極み。
交響曲第7番 確かに、う~んという感じ。
交響曲第8番 第1部の壮大さはすごいけど、アバドの映像がない。
交響曲第9番 わかりにくいけど、マーラーの精神世界の完成形。
交響曲第10番 美しいけど、残念ながら未完成。
大地の歌 交響曲としては無理がある。
若き日の歌 ドイツリートとしては普通。
さすらう若人の歌 同じく。
少年の魔法の角笛 オケ伴奏リートとして抜群の成熟度がある。
リュッケルト歌曲集 「私はこの世に捨てられて」以外は普通。
亡き子を偲ぶ歌 オケ伴奏リートとして標準。

まぁ、今のところこんな感じ。ですから、好感度の高いものとして、2・6番、少年の魔法の角笛あたりを押したいところ。好感度が低いのは普通に7・10番でしょうか。8・9番は今後の聴きこみ具合によっては、好感度が高まる可能性があります。

前にマーラー全集としてDG・DECCA系とWarner・EMO系のボックスを紹介しましたが、探していたらもう一つありました。

バッハの激安ボックスでもおなじみのHanssler・PROFILEのもので、新旧取り混ぜての演奏が含まれいます。このボックスの一番のお得ポイントは、ダムラウによる「少年の魔法の角笛」のピアノ伴奏版、しかも「若き日の歌」などの角笛関連も全部集大成しているアルバム、マーラー編曲ウェバーのオペラが丸々ふくまれているところ。

さらに「大地の歌」も珍しいピアノ伴奏版が入っていて、これらだけを単独で買う値段で、ワルター、ハイティンク、ミトロプーロス、テンシュテット、ストコフスキーらの全交響曲の名演が付いてくるのは凄すぎる。