2019年11月14日木曜日

Claudio Abbado WSO / Mahler Symphony #6 (1967)

マーラーの作品は、自分が最初に感じたように、長くて変な楽器がしばしば登場するゲテモノという扱いを長らくされていて、それらを払拭した最大の功労者はレナード・バーンスタインであることは疑いようもありません。

今でこそマーラーの交響曲をまとめて聴ける音楽祭は珍しくなくなったとは言え、実際に企画・運営するとなるとかなり大変。その代表がアムステルダムのコンセルトヘボウで1995年に行われた「Mahler Feest」でした。

今の人気を決定づける聴衆のみならず演奏者も受容する機運を作ったと言われているのが、1967年のウィーン芸術週間で企画されたマーラー・チクルスです。詳しいことは、解説してくれているブログがあるのでそちらを参照するとして、ここでは演奏者のみ列挙してみます。

第1番 プレートル指揮ウィーン響
第2番 バーンスタイン指揮ウィーン・フィル ヒルデ・ギューデン、クリスタ・ルードヴィヒ
第3番 スワロフスキー指揮ウィーン響 ルクレティア・ウェスト
第4番 サヴァリッシュ指揮ウィーン響 ハリーナ・ルコムスカ
第5番 ショモギー指揮ウィーン響
第6番 アバド指揮ウィーン響
第7番 マデルナ指揮ウィーン響
第8番 クーベリック指揮バイエルン放送響
第9番 マゼール指揮ベルリン放送響
第10番~アダージョ トイリンク指揮オーストリア放送(ORF)響
大地の歌 カルロス・クライバー指揮ウィーン響
嘆きの歌 トイリンク指揮オーストリア放送(ORF)響
少年の不思議な角笛 プレートル指揮ウィーン響 グンドゥラ・ヤノヴィツ、ヴィクター・ブラウン
さすらう若者の歌 ベーム指揮ウィーン・フィル クリスタ・ルートヴィヒ
リュッケルトの詩による5つの歌曲 マデルナ指揮ウィーン響 ヒルデ・ツァデク
亡き子をしのぶ歌 マゼール指揮ベルリン放送響 クリスタ・ルートヴィヒ

さすがに、1週間そこらで連日会場に足を運ぶ人はいないでしょうけど、まとめて聴くとけっこう疲れるだろうなと思います。ベテランと若手をバランス良く配置して企画された感があります。

気になるのは当然アバドですが、他にベームやクライバーのマーラーというのはかなり珍しい。この時の演奏の音源はというと・・・アバドの6番とクライバーの大地の歌が簡単に見つかります。それ以外はどうも残っていないようです。

アバドの6番については、前に紹介した1965年のアバド出世のきっかけになった2番のライブとともに収録されています。モノラル録音で、やや籠った感じの音ですが、時代を考えると聴きにくいというほどではありません。

2番でもそうでしたが、アバドのマーラーは若い時からあまり変化がありません。早くからしっかりとした解釈をした確固たる自信がうかがえるわけですが、逆にそれをつまらないと感じる人もいるだろうことは否定しません。