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2019年11月30日土曜日

Janet Baker / Mahler Lider (1968)

バーンスタインをはじめ、60年代から70年代にかけてマーラーの録音が活発になりだした時に、マーラー作品で重要なポジションであるメゾソプラノ歌手というと、ほぼクリスタ・ルードヴィヒとジャネット・ベイカーの二人につきる。

ルードヴィヒは1928年生まれ、ベイカーは1933年生まれ。今はお二人とも90才前後ですが、当時は30~40歳で、歌手として最も脂がのり切っていた頃。オペラの花形ということでは、ソプラノ歌手にやや理がある感は否めませんが、リートではメゾソプラノ歌手の方が柔らかく嫌みが少ないように思います。

さて、特にベイカーは、オーケストラとの共演だけでなく、単独のアルバムでもマーラー作品を多数録音しています。

映像としてはバーンスタインの「復活」があります(ちなみに第3番はルードヴィヒ)。CDは、バーンスタイン、バルビローリを中心に多数あります。

「少年の魔法の角笛」は1993年(?)にウィン・モリス指揮ゲラン・エバンス(Br)とのアルバムがあり、ご自身のアルバムとしても網羅できており、前回取り上げたビアノ独奏による歌集(1983年)とともに、こちらのオーケストラ伴奏歌集(1968年)を合わせて聴きたい。

両方のアルバムで「さすらう若人の歌」はダブりますが、伴奏の違いがあるので違った味わいが楽しめます。バルビローリは交響曲でも有名ですが、ここでは落ち着いた演奏で歌手を引き立てます。

ベイカー、ルードヴィヒの後を継ぐのが、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターであり、21世紀になってマグダレーナ・コジェナー、アンナ・ラーション、藤村実穂子らが活躍していすが、いずれも今や50才前後。さて、次世代のメゾソプラノは誰が担っていくのでしょうか。