マーラー初心者が、こういうものに手を出していいのかということは横に置いておいて、今回はYouTubeにアップされている驚異のビデオの紹介。
レナード・バーンスタインのイスラエル・フィルとの1985年の来日公演におけるマーラーの第9番の演奏です。この時の来日では、9月3日大阪、9月5日名古屋、そして9月8日と12日に東京の4回、マーラーの第9番が演奏されました。
詳しい録音のデータが記載されていないのですが、場所は明らかにNHKホールのようです。ただし、これが8日なのか12日なのかはわからない。
ただし、正規の撮影とは言えず、ホールの左2階席から、1台のカメラで撮影していますが、画像のぶれがほとんど無いので、明らかに三脚などで固定しています。
1985年というと家庭用の8mm Videoが流行りだしたころで、まだまだ録画機材は服の中に隠せるほど小さくはありません。となると、もしかしたら関係者が記録として収録していたものかもしれません。
実はネットを探索していると、1985年の公園のDVDとかCDがヤフオクに出たという情報が見つかります。さらに、探っているとなんとニコニコ動画に、大阪・名古屋・東京2回の音声データがアップされていました。
さて、バーンスタインは正規の物としてはマーラーの第9番は60年代のニューヨーク・フィルから始まって、70年代はウィーンフィルとのビデオ、そして生涯一度だけだった79年のベルリン・フィルとの競演があります。
そして、最後が1985年6月のコンセルトヘボウとの録音ですが、年代が進むにつれて演奏時間(特に第4楽章)が長くなって、バーンスタイン主観的芸術の到達点の一つとして高く評価されています。
この年に来日したバーンスタインは、「伝説的」にマーラーの演奏を繰り広げ、30数年前ですが、いまだに会場にいた方はその衝撃的な名演を忘れられない体験として語っています。
最近、イスラエルフィルとのテルアビブでのライブが発売されています。これは来日公演直前の8月の演奏。ただし、正規盤としては音質面が貧弱で、オケのミスも目立つという評判で、日本公演を知る人には不満が残るらしい。
このビデオでは、少なくともあからさまなミスはなく、遠くでのワン・マイク録音に関わらず比較的ましな音だと思います。直接に生で体験するとその分感動は大きい物ですが、それらを差し引いてもかなり凄い演奏であることはわかります。
とにかく、よくぞ残っていた!!と、感謝するしかない名演ですね。