マーラー人気隆盛の立役者、レナード・バーンスタイン。自ら、マーラーの化身と化して火山を噴火させる勢いで指揮棒を振り、ステップを踏み続けました。
その遺産は、2つのCD全集、1つのビデオ全集として集約されて、マーラーの曲を聴いて聴く上で避けては通れない金字塔となっています。
当然、これらを聴きこむのはけっこう大変で、良い子のファンはそれだけで十分過ぎです。ところが、さすがにバーンスタインですから、全集に集められた物以外の音源もちらほらあるんですね。
実は正規盤にもかかわらず、不思議な音源が見つかりました。Columbiaレコードでの初出音源を、再発売する際に再構築したシリーズがありまして、その中に交響曲第8番の第1部のみ、交響曲第5番のアダージェットのみという録音がクレジットされています。
8番は最初の全集に含まれるロンドン交響楽団とのものは1966年録音ですが、それよりさかのぼる1962年のニューヨークフィルとのもの。5番は全集の中の1963年の全曲録音より遅れる1968年のものです。
8番は、エイヴェリー・フィッシャーホール開場記念の演奏会の記録。そして5番は、1968年6月6日に暗殺されたケネディ大統領のための6月8日に行われた追悼ミサでの演奏です。
どちらも、「バーンスタインのマーラー」と思って聴くと音質的にも内容的にも不満が残るものかもしれませんが、歴史的な記録としての意義はありますね。
他の盤には収録されていないようですが、幸い中古がかなり安くなっていますので、バーンスタインを全部集めたい方は必携の音源です。
他の盤には収録されていないようですが、幸い中古がかなり安くなっていますので、バーンスタインを全部集めたい方は必携の音源です。