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2019年11月6日水曜日

Claudio Abbado BPO / Mahler Symphony #2 (1996)


1996年10月17日、サントリーホールで行われ、NHKが放送したアバド指揮ベルリンフィルの来日公演のビデオです。歌手は、シルヴィア・マクネアーとマリアンナ・タラーソワ。

コンマスは日本人、安永徹で、今でも在籍し活躍するダニエル・スタブラワと共にアバドのBPOを牽引した団員の一人。スタブラワが若いし、後年ルツェルンでアバドを支える、ヴィオラのクリスト(お茶の水博士)、第2バイオリンのハンス=ヨアヒム・ヴェストファル(不機嫌爺)もしっかり確認出来て、何か嬉しい。

さて、このビデオは大変貴重なものです。

何が貴重かというと、アバドは3回分くらいのマーラー交響曲全集を遺してくれましたが、同一楽団で完成したものが一つもありません。

正規に発売されているビデオとしては、一番多いのはルツェルンですが、何と残念なことに第8番が抜け落ちている。CDだとベルリンフィルとの演奏が最も多いのですが、こちらは第2番か無い。

第2番は、アバドの実質的に世界デヴューとなった1965年のザルツブルクで演奏したもの。カラヤンから招待され、自ら第2番を振りたいと進言し、ウィーンフィルを操って大喝采となりました。

ルツェルンでは実際に演奏されていないので、後で「こんなんありました」と出てくることは無いのであきらめるしかありません。ところが、ベルリンフィルでは演奏しているにもかかわらず発売されていない・・・ということで、その穴を見事に埋めてくれるのがこのビデオです。

アバドはベルリンフィルのシェフに就任して5年以上たち、カラヤンの呪縛を払拭し、自分のカラーを出せるようになった頃だろうと思います。前年のMahler  Feestにも招聘され、マーラー振りとしても乗りに乗っている時代。

演奏の内容は、2003年のルツェルンでのものと大きなかわりはありません。さすがに名手揃いのベルリンフィルですから、この対局も難なくこなします。アバドらしい風通しの良い第2番です。画質・音質のアップされた正規発売を期待したいですね。