2020年5月24日日曜日

実効再生産数の推移

https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/ より実効再生産数のグラフのみを編集しました

東洋経済新報社の新型コロナウイルスの特設ページには、新型コロナウイルスの国内の感染状況についてのダッシュボードが掲載されており、これもまた見やすくてわかりやすい情報を収集するツールとして役に立っています。

最近、ここに追加された実効再生産数のグラフは、他には無い大変興味深い物です。実効再生産数については、すでに書いていますので詳しい説明は省きますが、一人の感染者から何人に感染が広がっているかという数字。当然、1を超えれば感染は拡大傾向、1未満になれば縮小に向かいます。

この数字を導き出すのは困難であることは容易に想像できますが、今回のコロナ禍で一躍有名になった北海道大学の西浦博教授が、その計算式を公開しています。式は難しくて、その道の専門家以外にはちんぷんかんぷんなので、ここでは結果だけ利用します。

なお、あくまでも表に見えている数字だけで計算されたものであること、そしてサンプル数が少ないほど変動幅が大きくなりやすいことは注意しておく必要があります。

最新の5月22日時点までのデータによれば、全国的には、4月19日以後は1を切る数字が継続しており、感染の拡大に歯止めがかかったことが見て取れます。ゴールデンウィークの外出自粛効果もありそうですが、その後の気の緩みも否定できない。

最も感染者数の多い東京都についても、また何かと注目をあつめる大阪府も同様の傾向で、社会活動再開を容認できる、つまり緊急事態宣言を解除可能と判断できそうな状況です。

しかし、神奈川県については連休明けから増加し5月16日から5月20日には再び1を超える状況がありました。これは東京近隣の千葉県、埼玉県にも似たような傾向がみられます。

東京に比べて感染者数が少ない事から「気の緩み」が出たのか、もともと東京の感染者の多くが周辺地域からの流入によるものだったのか、いろいろな考え方があるかもしれません。

来週緊急事態宣言は解除されそうな雰囲気になっていますが、神奈川県、おそらく感染者のほとんどを占める横浜市は、まだまだ一定の緊張感を持続させる必要がありそうです。経済活動の再開は、確実に実効再生産数を上昇させますので、6月以降も注目したいと思います。