2020年5月20日水曜日

自粛で運動不足


新型コロナウイルスの感染の蔓延によって、重症化した場合は命に関わる場合があることは無視できません。しかし、おおまかにいえば、感染者の半分は無症状である可能性があり、発症者の大多数は風邪症状で終わります。

一方、3月なかばから感染連鎖を断ち決るために外出自粛が強く求められるようになり、人々の活動がかつて無いほどに減りました。

人の活動が減る、つまり人が動かないということは、端的に運動不足という言葉に集約されます。これは、ほぼすべての人にあてはまる問題です。

例えば、骨折でギプスを巻いて、手足を固定すると筋肉の動きが激減します。2週間後に巻き直す時、ぴったり巻いたギプスも隙間ができています。若い方でも、筋肉量が減っているのです。

使わない筋肉が萎縮するスピードはけっこう速い。今まではこどもたちの歓声で賑わっていた公園にも、人影がありません。食料品の買い出しくらいしか外出しなくなると、もともとの運動量からするとかなり筋肉を使わなくなっていることは間違いありません。

実際、最近の初診で来院する方は、若い方はぎっくり腰が増えた印象です。在宅ワークで、体重が増え、気楽な姿勢で長時間パソコンワークをして、動いた途端に腰を痛める。

高齢者は、もともと体力が落ちていて転倒しやすいのですが、介護施設の利用が制限されたり、散歩などにも制約が増えたことで、さらに転びやすくなっているようです。

外出自粛とは言っても、大事なのは人と人との接触を減らすことですから、人が密集するような状況でなければ、散歩などを大きく制限する必要は無いと思いますし、できれば体操を意識的に行うことが重要でしょう。