昭和を代表するコミックバンドであった、ハナ肇とクレイジーキャッツが登場する映画のシリーズの第1弾。
植木等が演じる平均(たいらひとし)のはちゃめちゃサラリーマンは、高度経済成長期に入って猛烈に働く日本人にとって、夢の代弁であり、どこかで緊張からの緩和の役目をして大ヒットとなったのかなと思います。
その後、時代はかわり、こんな荒唐無稽な「無責任」な人物は存在しなくなりました・・・と思ったら、いた。いました。
平均は無責任に振る舞っていますが、実際は頑張るところはめちゃくちゃ頑張る男。独特の倫理観ではありますが、他人のためでもやる時はやる。
ところが、現代社会の無責任男は、日本の政治のトップに君臨して、悲しいことに自らの保守のためにだけ動いているようにしか見えない。
これまで、自分や周囲のたくさんのスキャンダルがあるたびに、「責任は私にあります」と認める発言を何度もしてきました。
でも、簡単に責任を認めても、責任を取ったことは無い。責任は取って初めてまっとうできるものです。イエローカードの累積は数えきれないのに、いまだにレッドカードにならないのはなんででしょうね。
少なくとも、安定を望む国民の保守的な選択、あげあし取りしかできなくなった弱小野党集団の非力は関係しています。非常事態と言われる「有事」の状況において、指導者の力量ははっきりしてきました。
今が本当の無責任時代で無いことを祈るばかりです。