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2021年7月5日月曜日

ターミネーター4 (2009)

さて困った。困ったというのは、映画「ターミネーター・シリーズ」の次なる作品。これまでの作品では、ジェームズ・キャメロンが直接、脚本・監督で携わった正編・続編で一定の完結が見られ、第3作ではそれらを下敷きに別の未来に向かうこともあるという内容。

そして第4作は、基本的な世界観は共有しているものの、またもや時間軸が好きに作られていて、そこにこれまでの設定も混ざってくるだけに、この映画の中での歴史はぐちゃぐちゃです。いきなりこの作品だけ見る分にはいいんですが、前3作を知っている大多数の観客は簡単には頭の中を整理できないというのが問題。

監督は映画版「チャーリーズ・エンジェル」で名を上げたマックGが担当。今作ではタイムスリップは無し。核戦争により人類のほとんどが死滅した後の世界で、独自の知能を持ったコンピュータ・ネットワークであるスカイネットに対抗する人類に焦点を当てたものになっています。

というわけで、心を無にして映画を見てみましょう。冒頭、2003年のとある刑務所。ここで、すでに第3作で示された延期された「審判の日」の1年前だということを知っていないといけないという早くも無にできないところ。死刑囚のマーカス・ライト(サム・ワシントン)が、死後にサイバーダイン社の研究用に遺体を提供することに同意するサインをします。サイバーダイン社は第1作と第2作を知らないとわからない。

タイトルの「Terminator Salvation (救済)」が提示され、そこから場面は2018年に飛びます。スカイネットは生き残った人類を抹殺したり、時に研究用に捕虜にしている。人類抵抗軍は多大な犠牲を払ってスカイネットの基地から軍事情報を奪取し、潜水艦の司令部に戻ったジョン・コナー(クリスチャン・ベール)は、将軍らから手に入れた情報は、スカイネットが機械化軍をコントロールするための超短波のシグナルだと説明されます。

コナーはシグナルが機能するかどうかのテストを買って出ますが、4日以内に総攻撃をすると伝えられます。急ぐ理由は、スカイネットの邪魔になる人物の抹殺がリストに沿って開始されるからであり、コナーはリストの2番目だというのです。そして1番目は抵抗軍にはの知られていない民間人、カイル・リースでした。

自分の基地に戻ったコナーを迎えたのは医療スタッフをしているコナーの子を身籠っているケイト(ブライス・ダラス・ハワード)でした。当然、第3作を知っている前提で話が進みます。一方、スカイネット基地に眠っていたマーカスは爆発で覚醒し、街にたどり着いたとたんにターミネーターT-600に襲われます。

その時、カイル・リースと名乗る少年が飛び出してきてマーカスを助けるのです。その夜、シグナルの効果を確認したコナーは、まだ希望があり、この放送を聞いている者は抵抗軍の一員だとラジオに流しました。偶然、この放送を傍受したカイルはコナーのもとに行く決心をします。しかし、スカイネットに発見されカイルは捕らわれ、マーカスは撃墜された抵抗軍の女性パイロット、ブレアとコナーのいる基地を目指します。

基地の周囲の磁気地雷がマーカスの足に付いて爆発したため、マーカスが心臓以外は半機械人間であることが判明しました。マーカスを拘束しましたが、ブレアが彼は人間だと主張し逃亡させます。コナーは、マーカスを発見しますがカイルが捕まっていることを教えられ、マーカスをスカイネット基地に向かわせます。

潜入したマーカスは、自分がサイバーダイン社が作ったターミネータの第1号試作機であることを知ります。スカイネットは、偽のシグナルを囮にしてコナーとカイルの居場所を突き止め抹殺するために、マーカスを覚醒させたのでした。

基地に潜入したコナーは、T-800襲われ、胸を貫かれます。このT-800はCG合成したアーノルド・シュワルツェネッガーの顔がマッピングされている!! マーカスはT-800を倒し、スカイネット基地を爆破しました。基地に戻ったマーカスは、「二度目のチャンスをくれ」といいコナーに自分の心臓を移植させるのでした。

シュワルツェネッガーは前作の後でカリフォルニア州知事になったんで、今作には登場しません。最後の数シーンで顔だけCGで登場というのは、ファン・サービスというところでしょうか。ただし、ターミネーター自体が活躍しない「ターミネーター」では、単なる近未来アクション映画になってしまう。

そう思ってみれは、それなりに楽しめる・・・と言いたいところなんですが、いかんせんシリーズの過去の作品を知らないとどうにもならない作りになっていて、ある意味かなりずるがしこい映画ということ。実際の、興行収入は伸びず、制作会社は倒産して続編の計画は無くなり、再び権利関係は移動するという結果になっています。