2025年12月10日水曜日

ベイビーわるきゅーれ エブリデイ! (2024)


あの二人組がテレビドラマにやって来た!! というわけで、女子二人組の殺し屋コンビが活躍する映画の第三弾が公開される直前から、テレビ東京で1話30分、全12話で放送されました。

映画での制作の中心にいる阪元裕吾が、ドラマ版でも脚本・監督を務めています。殺し屋協会所属の正社員、明るくいい加減で長い黒髪の杉本ちさと(高石あかり)とコミュ障の社会的不適合者で金髪ショートの深川まひろ(伊澤彩織)がここでも主役ですが、映画でおなじみの面々が脇を固めています。

前半6話は「風林火山編」で、老殺し屋のわがままに翻弄されます。後半6話は「ジョブローテーション編」となり、鉄壁のコンビが別れ別れになってそれぞれが苦悩するというもの。

ある日、つけてくる男に気がついたまひろは、相手を倒してちさとと協力して冷凍庫に置き去りにします。朝になると二人のサポートをする殺し屋協会の須佐野(飛永翼)が、協会のメンバーである夏目敬(草川拓弥)と連絡が取れなくなったと伝えてきました。二人はあわてて冷凍庫から、凍死しそこなった夏目を出すのですが、夏目はある目的で二人の適性を調査していたのです。

その目的というのは、協会の殺し屋ランキング全国2位で、数々の大型案件を成功させて10年前に引退した伝説の宮原幸雄(本田博太郎)が任された風林火山プロジェクト(ある人物の殺害)のメンバーの選抜であり、夏目は宮原を崇拝していたのです。夏目が推薦し、宮原が二人の仕事ぶりを評価して、プロジェクトメンバー入りが決定し、二人は合宿に参加することになってしまいます。

合宿が始まると、宮原の「老害」に悩まされる参加者たちでした。宮原のわがままとそれに盲従する夏目に対して、ハラスメント防止委員会が登場したりします。作戦決行の当日、さんざん行った練習通り、ちさととまひろは宮原が殺せるお膳立てをしますが、肝心の宮原は殺せなかったと言って戻ってきてしまうのです。で・・・・

休暇に入った二人は、ちさとの実家に行ったり、トレーニングしたり、ついには職務質問をかけらた私服刑事を殴り倒したり・・・しているうちに二人にはジョブ・ローテーションが待っていました。ちさとは殺しの依頼を受注する営業部、 まひろは服務規程違反などをしたものを粛清する監査部で日野彰の下につくことになりました。 

しかし、調子が良いはずのちさとは、営業部の人間関係に苦しめられ、何かと怒りで先輩を殺してしまう妄想を膨らませてしまいます。まひろの監査部移動も、実は日野の不正の調査と確定した場合の粛清が本来の目的であることが須佐野から告げられていたのでした。

タイムラインとしては映画「ナイスデイ」の後ということらしく、映画で登場した前田敦子がカメオ出演したりしています。

さすがに映画と違って、いろいろとコンプライアンスがうるさく言われる地上波放送ですから、暴力シーンは少なめ・・・ということは、アクションは控えめということです。それはしょうがないところですが、その分ストーリー性は強まったように思います。

また、普通にぎりぎりで社会人をしている二人ですが、映画では描かれていない家族との関係性などがドラマでは明かされているのは興味深い。二人が殺し屋を職業にしていることは秘密になっていなくて、家族も知っているけど、普通に接しているのが何とも不思議。

全体的にはちさと・まひろ対標的という構図よりは、殺し屋協会の内部事情がわかる内容になっていて、映画とは別の面白さがあります。実質的には2時間のスペシャル・ドラマを2本見るような感じなので、気楽に楽しめば良い感じです。