これはシリーズ化された劇場版第2作。2008年には第3作の最終作として「THE LAST MESSAGE 海猿」が公開されましだか、制作陣は描き足りないものがあるとして2012年に「BRAVE HEARTS 海猿」まで続きました。
基本的なスタッフ、および出演者は同じで、制作間隔に応じて時系列に設定が変わっていきます。2004年第1作で主人公・仙崎大輔は海上保安庁の潜水士になり、ヒロイン・伊沢環菜と出会いました。2005年のTVドラマでは、仙崎は現場で様々に経験をして一人前の潜水士に成長し、環菜との関係を深めました。
劇場版第2作は、鹿児島に転勤となり、機動救難士となった仙崎と環菜はいよいよ結婚の準備を始めていますが、そこへ大型フェリーの事故が発生する。第3作では、結婚3周年を迎えた仙崎と環菜の間には長男が誕生していて、今度は洋上天然ガス採掘施設の事故が起こります。そして最終作は、仙崎は潜水士の頂点である特殊救難隊にいて、環菜は第2子を妊娠中。エンジントラブルによって着陸不能になったジャンボ・ジェット機が海上不時着することになります。
はっきり言って、この3本の劇場版は仙崎ら出動するに相応しい大きな事故が起こって、苦難を乗り越えて「全員を助ける」ことと「生きて帰る」ことを体現することを描く金太郎飴映画です。主人公は究極のピンチに陥り、普通なら間違いなく死んでしまう状況で、見事生還するのですから、単なるヒーロー物、あるいは「水戸黄門」としか言いようがない。最終作でスタッフが「描き足りなかった」ものが何なのかはまったく不明で、これじゃ原作者が堪忍袋の緒を切るのもしょうがない。
日本海の天然ガス施設が沈むのをのぞいて、鹿児島湾の沈没する大型フェリーとか、東京湾に水没するジャンボジェット機は、引き上げるのが大変だなぁ、などとどうでもいいことを心配してしまいます。まぁ、これらの作品のおかげで海上保安官希望者が増えたらしいので良しとしましょう。
