2025年12月18日木曜日

2025年総決算

 


総決算というタイトルをつけて書くようになったのは2008年からで、昔はいろいろと書き留めておくことがたくさんありました。もう、ほとんど自分の記録みたいなもので、他人には何の役にも立たないし、本来は人に読んでもらうようなものでもありません。

それでも、読み返してみると、自分なりに気が付くことがあったりするので、まぁそこそこ意味が無いわけでもないなと思いながらも今年も書き出しました。

国際社会を見渡すと、いまだにウクライナとロシアの戦争は続いているし、アメリカのトランプ政権はやりたい放題だし、パレスチナ問題ももやもやしたままで、第2次世界大戦以後の安定した枠組みが、今年も徐々に崩れ続ける一年だったように思います。

資本主義国家と共産主義国家に、世界を大別できたのはもうずいぶんと昔のこと。資本主義と言いながら誰もが平等を目指すかと思えば、誰もが平等な共産主義社会の中にも格差が拡大するみたいな矛盾だらけの世の中です。そこへまったく別の対立軸として宗教の問題もそれぞれの社会の中にくさびを打ち込んでくるものですから、複雑さは増える一方です。

島国で国境が存在しない日本という国は、その中で単一の価値観を継続して持ち続けることが可能なのですが、逆にどんどん変化している国際社会の中で、古臭い立ち遅れた国家になってしまう危険もあるのかもしれません。

そういう意味では、今年は初めての女性総理大臣が誕生したことは、国内最大のニュースであることは間違いありません。もっとも、新しい価値観を生み出すことができるなら、女性にこだわる必要はありません。しかし、残念ながら高市早苗首相からはいまだに今後の日本をどうしたいのかというヴィジョンが伝わってきたかといえば、答えは否です。

政権誕生からまだ数か月ですから、目下のところ目先の政策ばかりが目立つのはしょうがないとは思いますが、旧泰然とした自民党政治に片脚突っ込んだようなイメージが払拭できるかどうか、今後を注視したいとは思います。また、高市発言に端を発する中国との関係悪化が、どのような影響を及ぼしてくるのかも無視できないポイントです。

国内では、次に話題になったのは大阪万国博覧会だったかもしれません。1970年の万博は、日本の高度経済成長期のシンボル的な役割があって、日本中が歓迎したイベントだったと思います。しかし、今回は、何のために行うのか不明なままで、結局世界を巻き込んだローカル・イベントという言われ方は必ずしも間違ってはいないように思います。少なくとも、赤字にはならなかったようなのでそれだけはよかった。

今年はAIが急成長した年でした。人工知能(artificial intelligence)は、コンピューター登場以来ずっと研究されてきていたものであり、特に目新しいものではありません。しかし、ずっとAIの知識の集積は、誰か一人が教え込んだものであって、その人物を超えるものではありませんでした。しかしネット・インフラが定着した現代では、特定の個人が教えるのではなく、世界中のネット上でこぼれてくる膨大なデータがAIの知識の源になっています。しかし、その中には誤った情報もあるし、矛盾する知識もある。まだまだ未熟なAIを使いこなすためには、使う側も相当訓練されている必要があるように思います。


メディア関連では、何といってもフジテレビ問題は忘れることができない出来事です。いろいろなことが言われていますが、本当のところは一般人には不明なことが多いので、タレントN君についてどうのこうのというのは差し控えるべきです。ただ、視聴率が最大目的である地上波テレビ局が、そのために健全な組織運営をしていなかったことは衝撃的でした。さらに日本テレビでは、フジテレビの件を考えてか、かなり思い切ったタレント切りを行ったことはいろいろな問題を残しています。

さて、いよいよ個人的な今年の総括をしておきます。

今年はクリニック開院20年を迎えた年でした。20年後を考えると、ずいぶん先の話だと思いますが、振り返るとあっという間でした。そして、まだまだ自分であきらめない限りはずっと続くわけです。20周年で何かイベントをするかと思ったりもしましたが、5周年、10周年などと違い、長く続けられることはもう特別なことではないなと思うようになり、何もしませんでした。

新型コロナウイルスのパンデミックは、クリニックにとってかなり深刻な打撃を与えましたが、今年はほぼおちついた1年だったにも関わらず、コロナ禍前のような状況にはなかなか戻りそうもありません。患者さん自身が、自己管理の姿勢が定着したこともあると思いますが、それは当然悪いことではありません。

他には急激に進んでいる物価高はかなり影響があると思います。注射器や針から大きな医療機器まで、診療に必要な物品には消費税がかかるわけです。消費税は最終消費者が負担するというのが原則ですが、保険医療機関は最終消費者である患者さんに消費税分の上乗せをすることができません。かといって、医療費の増大が絶えず問題になる昨今では、国が決める診療報酬は改定のたびにほとんど据え置きに近い状況です。

個人的にけっこう大きな出来事は、スマートホンをiPhoneからAndroidに戻したこと。小さい話だと思うかもしれませんが、2010年に初めてAndroidを搭載したスマートホンとして市場に登場したSony EricssonのSO-01B以来、Xperiaファンだったのに、2016年に家族の強い要望でiPhone7に鞍替えし、バッテリーの劣化により2020年からはiPhone11を使っていました。

何度も書いていますが、自分はアップル製品は大嫌い。当然iPhoneを使うというのは屈辱的なことなんです。最近はiOSのアップデートのたびに、たくさんのアプリやデータを削除する苦痛を強いられてきましたが、それもほとんど困難になってきていました。iCloudのサブスク使えということなんでしょうけど、これ以上金をかけるなんて我慢できない。

今年の春から、じわじわとAndroidへの帰還を考え始め、ついにめちゃめちゃ面白そうな機種を見つけました。イギリス発のNothong Phoneです。これがガジェット好きには刺さりまくる独特の機種で、5月にニューモデルが出てポチリそうになりましが、さらにフラッグシップ機が夏に登場するというのでじっと我慢しました。

フラッグシップというだけあって性能は相当なもので、はっきり言ってiPhone12で不満を感じていた部分は完全に消し去ることが出来ました。カメラ性能も専用機に比べれば見劣りするのはしょうがありませんが、例えば今年最後の満月では、スマホカメラでここまで撮れたのは初めての経験で驚きました。


そんなことくらいしか書くことは無いのかと呆れられそうですが、だんだん老いを感じる年齢になると、しょうがないと自ら苦笑するしかありません。とにかく2025年も、あっという間に過ぎていくという感想に尽きるということになりました。