2019年11月4日月曜日

Mahler Feest in Amsterdam 1995


アムステルダムの有名なコンサートホールと言えば、コンセルトヘボウ。ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)は、コンセルトヘボウを本拠地にしている、ベルリンフィルやウィーンフィルとも肩を並べる、伝統のある世界有数のオーケストラです。実は2代目の音楽監督であったメンゲルベルクによって、グスタフ・マーラーは指揮者としてしばしば招聘されたため縁が深い。

歴代音楽監督の中では、ベルナルト・ハイティンク(1962-1975)、リッカルド・シャイー(1989-2003)がRCOでマーラーの交響曲全集を作りました。そして、マリス・ヤンソンスは、いろいろな指揮者が振り分けたRCOによるビデオ全集(2009-2011)を完成させています(自らは2、3、8番を指揮)。

ちなみに、ヴィオラ主席は日本人の波木井賢さん。他にもたくさんの日本人奏者が在籍しています。また、ヤンソンスの後を引き継いだガッティは、昨年セクハラで電撃解任され、現在までRCOは音楽監督は不在という状況。

さて、そんなRCOは、過去に1920年、1995年の2回、Mahler Feest in Amsterdamと称する全曲演奏会を行いました。1920年はメンゲルベルクの監督就任25周年記念でした。

1995年はRCOだけでなく、なんとベルリンフィル(BPO)、ウィーンフィル(WPO)、グスタフマーラー・ユーゲント管弦楽団(GMJO)を招いた物凄い音楽祭で、オランダ放送協会が公式に自主製作CDを作成しました。ただ残念ながら、通常の販売は行われなかったため、いまやたまに中古が売りに出ても驚愕の価格になっています。

その布陣を並べてみると、
第1番 シャイー指揮 RCO
第2番 ハイティンク指揮 RCO ヴァン・ネス、マルジオーノ
第3番 ハイティンク指揮 WPO ヴァン・ネス
第4番 ムティ指揮 WPO ボニー
第5番 アバド指揮 BPO
第6番 ハイティンク指揮 BPO
第7番 ラトル指揮 WPO
第8番 シャイー指揮 RCO
第9番 アバド指揮 BPO
第10番 ハイティンク指揮 GMJO
大地の歌 ハイティンク指揮 GMJO ハンプソン、ヘップナー
嘆きの歌 シャイー指揮 RCO
少年の魔法の角笛 アバド指揮 BPO フォンオッター、シャイー指揮 RCO ハガード
少年の魔法の角笛(ピアノ伴奏) ハンプソン
リュッケルト歌曲集 ムティ指揮 WPO ラルモア
リュッケルト歌曲集(ピアノ伴奏) ハンプソン
亡き子を偲ぶ歌 ハイティンク指揮 BPO リポヴシェク
亡き子を偲ぶ歌(ピアノ伴奏) ハンプソン
さすらう若人歌 シャイー指揮 RCO ハガード
さすらう若人の歌(ピアノ伴奏) ハンプソン

凄いですね。凄すぎですね。これを1週間ちょっとで全部聞こうと言うんですから、もう伝説的な演奏会の域を超えています。

その伝説を再びということで、注目されているのがMahler Feest in Amsterdam 2020です。来年5月に25年ぶりにマーラー・フェスティバルが開催されることになっています。今のところ予定されている出演者は、

第1番、第2番 Jaap van Zweden New York Philharmonic
第3番 Myung-Whun Chung RCO
第4番 Kirill Petrenko BPO
第5番 Daniel Barenboim WPO
第6番 Kirill Petrenko BPO
第7番 Daniel Barenboim WPO
第8番 Daniel Harding GMJO
第9番 Myung-Whun Chung RCO
第10番、大地の歌 Iván Fischer Budapest Festival Orchestra

これはこれで凄いメンバー。個人的に注目なのは、BPOの新シェフであるペテレンコ、そしてマーラー振りとしては急上昇中のハーディングあたりでしょうか。

ゴールデンウィークのあと、さらに2週間仕事を休めたら・・・って無理な話なので、今どきですから映像が配信されたり、ブルーレイなどで発売されることを期待するしかありませんね。