2020年7月19日日曜日

経済再開と感染再燃


新型コロナウイルスの感染は、緊急事態宣言解除後の経済活動の再開に伴い拡大傾向を続けています。

100%の終息前に経済を優先すれば、これは当然の結果で驚くに値しません。新規感染者数は、緊急事態宣言が発せられた4月上旬のピークに匹敵する状況になってきました。

現在は全国の50~60%は東京都に発生しているわけですが、4月の時点と違うのは、緊急事態宣言時は東京都が占める割合は1/3程度だったという点。

これは東京都の検査がより多く行われるようになったということも関係しているでしょぅから、より多くの感染者を拾い上げていることは間違いありません。実際、そのほとんどが軽症者であり、重症者数は今のところ増加していません。

ただし、これらの軽症者の増加は潜在的な感染者の増加の反映ですから、このままでいけば週単位で医療に圧迫がかかるような状況は起こることがありうると考えられますし、夏に減少が期待できないと、秋以降制御不能になる可能性も否定できなくなります。

神奈川でも再び増加していますが、まだ4月を超えるような新規感染者数は記録していません。5月以降は医師会による臨時検査会場も開設されていますが、検査数そのものはそれほど増えたという印象はありません。

4月より、人々が習慣的に感染に対して注意をするようになっているわけですから、神奈川のような状況が、経済活動再開によるリスクを現実的に反映しているのかもしれません。

ただし、県をまたいでの移動を簡単に許す状況になれば、さらに全国的な感染拡大が再燃することは容易に想像できることです。医学的に観点からは、この時期にGoToキャンペーンを実施するという神経は理解できません。

GoToから東京だけ除外になりましたが、人口が集中しやすい都市圏ではいずれも増加傾向であることに変わりなく、全国的な制約を段階的に必要としていると思います。とは言っても、経済活動を容認しなければ、より多くの人に大きな影響があることも認めざるを得ない。

各業界には早急な業績回復が期待できる対策が必要なのですが、それらの対策と感染リスクは表裏一体であることをあらためて認識し、どこまで許容できるのか一人一人が良く考える必要があるということです。