2008年11月1日土曜日

靴選び

ヒトは二本の足で歩く動物ですから、靴は大切。ある意味野生から退化したヒトは、裸足で野山を駆け回ることはできません。都会の舗装された平らの道路さえ、靴無しでは歩くことはできいのです。

その上、車社会が進んで、自分の足で移動することを減らしてしまったわけですから、足そのものも自ら不要にしてしまっているのかもしれません。

いつからでしょうか、外反母趾で困っている方が増えたのは。そして、つま先立ちができないこどもたち。小さいうちから扁平足ということも、珍しいことではなくなりました。

もともと足の形は、いくつもの骨が組み合わさっていますが、これが弓なりにアーチ状に並んでいるわけですが、縦方向に潰れてくると「扁平足(べた足)」となり、横方向に潰れてくると「開張足(幅広足)」と呼ばれます。

その結果、踵と裏に負担がかかるようになったり、真ん中の指が地面に当たりやすくなり痛みを出したり、たこを作ったりします。

また親指や小指が広がった位置に押し出されるため、靴の中で圧迫されやすくなり、外反母趾や内反小趾になってしまいます。歩くことをやめた足はどんどん筋肉が弱くなり、これらの変形を作りやすくしていくわけです。

年を取って、足の骨をつないでいる靱帯が弱くなったり、骨の変形が出てくれば、多少はしょうがありませんが、若いうちからこうなっては歩くのに一苦労です。

本来は、足の中の細かい筋肉をトレーニングで強化することが大事ですが、効果が出るには時間がかかります。そこで、靴です。

足の問題が出てくると、柔らかいあたりの少ない靴が楽ですから、自然とそういう靴を好んで履くようになります。ところが、そういう靴は足の変形を許容してくれるため、さらに変形を助長させてしまうのです。

そうすると、さらに柔らかい靴を探すことになります。それは足の変形を進ませるいたちごっこになるわけです。

定番のREGALの靴を履いたことがありますか? すごく硬くて慣れないうちは、大変に履きづらい。また、山歩きの靴も靴底が硬くて歩きにくいですよね。

でも、そういう靴は、一度慣れてしまえば手放すことができなくなります。だから、定番になるわけです。柔らかい運動靴で山に登ったら、足が痛くて下りてくることはできません。このような靴は足の形を保持する役に立っているのです。

女性のおしゃれな靴はどうでしょう。残念ながら、足を悪くする大きな原因になっています。おしゃれな靴のほとんどは、土踏まずの部分が絞り込んであって、細身になっています。

このため、土踏まずは体重が乗ったときに支えが無く余計に潰れてしまい、扁平足化を進ませてしまいます。

先はぎゅっと細くつぼめてありますから、よけいに親指を圧迫します。ピンヒールのせいで、足元は不安定で足首の関節にも負担をかけているんですよ。

足の健康とおしゃれは反比例していると言ってもいいかもしれません。おしゃれを楽しみたい方は、足の指を手と同じくらいに使えるくらいによく動かして筋肉の力をつけることをお勧めします。