2008年11月2日日曜日

枕選び

ヒトは眠ることで肉体的にも精神的には休息をとって、日々の生活を送ることができるわけです。そのためには、寝具は大事。特に枕は、首の骨へのいろいろな影響を出すために、首の痛みのある人も痛みの無い人も気をつかいたいものです。

首の障害の代表的なものには、椎間板ヘルニアと変形性頚椎症(けいついしょう)があります。背骨は鮭缶みたいなブロックの骨が積み重なって体の支柱になっているわけですが、そのブロックの間に挟まっている柔らかいクッションが椎間板です。

前後屈やひねり動作で多くの負担を受けて、椎間板はしだいに痛んでグズグスになっていきます。痛んだ椎間板が後ろに飛び出して、後ろを頭からお尻まで通っている脊髄という神経の束を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。

一般的には下を向く、つまり首を前に傾けた方が、後ろ側が開いてヘルニアがさらに出やすくなって症状が悪化します。

変形性頚椎症は通常は老化現象的な首の骨の変形ですが、いろいろな負担をかけていると若い人でも、びっくりするような状態になっていることがあります。

骨の動きは主として背骨の後ろ側で目立つので、後ろ側に骨の棘状のでっぱりができることがあります。この棘が神経を圧迫したりすることが、問題になります。

この場合は上を向く、つまり首を後ろに傾けると神経がよけいに圧迫されやすくなります。

高い枕を使うと、首は下を向いているような状態になりますし、低い枕では上を向いている格好になります。そこで、自分にとって一番適切な枕の高さを知る必要があるわけです。

日本では昔からあった蕎麦殻枕は、自分にあった枕の高さを作りやすいことが最大の利点だと思います。最近流行の低反発ウレタンは素材としてはいいのですが、高さの調節ができません。

実際に寝てみると、頭の重みでけっこう沈んでいるもので、その沈み込みも考えておかなければいけません。一番ニュートラルな高さは、壁を背にして姿勢を正して立ってみるといいでしょう。その時の壁と頭の間の距離が、頭を乗せたときの枕の標準の高さということです。

でも、枕選びはそこからスタートです。そこから、自分に適した微妙な高さを考えなければいけません。ですから、いきなり枕を買い込むのではなく、バスタオルを何枚か重ねたりして、自分に合った高さをまず探すことを是非やってみてください。

病気とまではいかなくても、肩こりがひどいという方はたくさんいます。肩こりの方は、首の後ろの筋肉が慢性的に疲労してこわばっていますので、首を前に傾けると筋肉を緊張させてしまいます。どちらかというと、ちょっと低めくらいが楽なことが多いようです。

前屈気味の方がいいのか、後屈気味の方がいいのかは人それぞれ。オーダーメイドでもしない限り、自分にぴったりの枕なんてそうそあるもんじゃありません。

人がいいといったからといって、枕を次から次へと買い込んで枕コレクターになってはいませんか。