知識と経験が多いほど、変化の阻害要因である
by 日本マクドナルド社長 原田 泳幸
なるほど、偉い人が言うことはなかなか含蓄があって、思わずなるほどと思ってしまいます。
原田泳幸氏は自分より10歳年上。自分と同じ東海大学の卒業で、もともとはアップルコンピュータの社長だった人。ヘッドハンティングで移籍した際には、「マックからマック」へと言われたそうです。
この言葉は今朝のテレビ番組で言っていたのですが、「勉強は体に悪い」という話を受けて発言したものです。ある程度の勉強によって知識を持つことは大事なことで、原田氏も勉強をしなくてもいいというような主旨での発言ではないでしょう。
しかし、ある程度自分のやり方が決まってしまうと、なかなか人は変革することを望まなくなり、今の安定の中に安住してしまう物です。それはまったくの平和な社会ではいいかもしれません。
社会的に不安定な今のような時代は、物事がいつでも安定しているとは限らず、思い切った改革が必要となる場合が確かにあります。その身近な例の一つは「小泉改革」と呼ばれていたものでしょうし、多くの阻害要因があったことも間違いありません。
小泉改革の失敗は、離陸したままで、着陸せずにパイロットだけがパラシュートを持って脱出したことにあると思います。それは今日の話とは別のところですので、置いておきましょう。
実際のところ、知識と経験というものは、一定の先入観を生み出します。固定観念という言葉で言ってもいいかもしれません。一度この枠組みの中に入ってしまうと、抜け出すことは大変に難しい。
しかし、袋小路に入ってしまい、にっちもさっちも行かなくなったとき、斬新なアイデアを思いつき実行することができるかどうか。その辺が成功する方法の一つであろうことは容易に肯定できることです。
そういう柔軟な思考回路を持つことを、原田氏は勧めているわけでしょう。普通の人である自分には、なかなか簡単にはいきそうにありませんが、とりあえずちょっといい話を聞いたなと思ったのでした。