2010年1月31日日曜日

足首の捻挫

足首の捻挫というと、皆さん軽いケガだと思っていませんか。もちろん、大多数はちょっと捻っただけで、その直後だけ痛くてあとは特に問題ないようなものでしょう。

ところが、病院に行きたくなるような強い痛みを伴う場合はなかなか簡単にはいかないことが多いのです。そのままほったらかしにしていると、結構痛みが続いて生活上の不便も馬鹿になりません。

捻挫というのは、本来動かない方向に関節を捻って関節周囲の組織を痛めた状態。足首の場合は、ほとんどが足が内側に向いてしまい、外くるぶしに強い力がかかります。そして強い痛みと腫れ、内出血を起こしてきます。

こういう場合には、実際には外くるぶしから足の方へ斜めに付いている靱帯を痛めています。つまり靭帯損傷というケガなのです。膝だったら手術が必要になることもしばしばですが、足首の場合は骨の組み合わせがしっかりしているので、よほどのことがないと手術まではしません。

でも、靱帯がちょっと伸びたくらいのものから、完全に断裂したものまでありますし、またしばしば靱帯の骨の付着部がはがれる剥離骨折になっていることもあります。

歩けなくなることはめったにありませんが、中途半端にしていると靱帯がゆるんで治ってしまい、何度も捻挫を起こしやすくなります。またいつまでも痛みが続くことも多い。スポーツをする人は、かなり運動能力に影響を与えることになってしまいます。

同じような力がかかったときに外くるぶしのちょっと上に痛みが強い場合は、すねの2本の骨をつないでいる靭帯損傷のことがあり、これはかなりの確率で手術が必要になります。

また、外くるぶしよりも下の方に痛みが強い場合には、小指側の骨の骨折になっていることも多いのです。

病院に生きたくなるくらいの足首の捻挫は、本当は1週間でもギプスを巻かせてもらえると治りもいいんですが、そんなことをすると患者さんはびっくりして二度とこなくなりそうです。ですから、できるだけ不便をかけない範囲の固定をすることになります。

最初の固定と局所の安静が最も大事なのは言うまでもありません。さすがに歩くのがつらいようなら、早めに受診することをおすすめします。