2010年1月15日金曜日

テニス肘

テニス肘というのは、上腕骨外上顆炎という病名が正式の物です。でも、テニス肘の方が通りがよいので、説明するときも患者さんの理解が早い。

もちろん、テニスだけで起こるわけではなく、いろいろな理由があるわけで、基本的には「使いすぎ(overuse)」が原因。

手首を上に向けたり(背屈)、指を伸ばす(伸展)動作をするための筋肉が肘の外側の骨の出っ張りにくっついている。そういう動作をし過ぎると、筋肉の収縮によって肘の外側を引っ張る力が集中してくるために、そういう物理的なストレスによって痛みが出てくるわけです。

そんな難しい話はともかく、典型的にはテニスの中では、手首をこねるような打ち方をする人に出やすい。だいたいスポーツで体を悪くするときは、どこにどんな痛みが出るかを考えると、何がいけないのかは想像できることが多い。

ドライブ打ちをしたくて思いっきり手首をくいっと回す時に、一度後ろに手首を持って行く動作が背屈になるわけです。

昔のウッドラケットの時には、ラケット面の中央のスイートスポットにボールをしっかりととらえることができないと、ボールをちゃんと飛ばせない。ですから、非力な人は手首の力を思わず使ってしまうことで、肘の外側の痛みを出すことが多かったんですね。

ところが、最近のラケットはどこに当たっても飛ぶようになって、パワーヒットがしやすくなった。逆に横着して、しっかりとテイクバックやフォロースルーをしなくなったのでしょうか、最初から手首の力だけでコントロールするような打ち方が多くなったように思います。

いずれにしても、一度痛くなると日常的な動作でも負担になってしまいますから、慢性化しやすくなかなかよくならない。2週間くらい、一切動かさないようにできれば・・・って無理ですよね。

とりあえず、いつでも手のひらの自分の顔に向けて使うようにしてみましょう。パソコン使う人は、キーボードの手前に高めのリストレストを置いてみましょう。とにかく、無理な打ち方をせずに、きっちりとラケットフェースを作って、スピンは膝の上下動で行うように心がけることが大切です。

痛みを出して、テニスができなくなったらつまらないですから、ちょっと気にしてみてほしいと思うわけです。