こういう質問は簡単でしやすいのですが、実際履歴書は言うに及ばずこどもの学校の調書などにもたいてい項目があるものです。
ところが、実際に答えようと思ってなかなか答えに窮することが多いのです。実に平凡な答えなんですが、読書と音楽鑑賞なんていうのは実は趣味がありませんと言っているようなところがありますよね。
高校生の頃の自分はまさにそれだったわけです。読書は好きで、横溝正史の探偵小説がブームになって角川文庫はすべて読破しました。そうすると、江戸川乱歩も読まないわけに行かない。そこから耽美小説というつながりで谷崎潤一郎のものを読んでみる。今から考えると随分とませた高校生です。
一方、落語が好きで古本屋さんを巡り歩いて、六代目三遊亭圓生全集を見つけて狂喜したり、園朝を中心とした明治の落語速記録全集みたいなのをそろえたり。さらに江戸時代の庶民の文化に関係した本を読みあさったりもしました。
もちろん、自分だけの趣味ならそこまではまらないだろうと思うわけで、周囲の友人の影響も少なくない。全体的にかっこつけた高校生の集団の中にいたのかもしれません。その他にも、いろいろな文庫とかを中心に本を読んだと思います。少なくとも高校生の間に数百冊の本を読んだことは間違いない。
一方、音楽鑑賞も当然好きだったわけで、当時はハードロックを中心に、渋谷の輸入盤レコード店をしょっちゅう出入りしていました。またジャズも聴きだして、さらにジャンルは拡大。その一方で石川さゆりや小林幸子のレコードを買ったり、天知真理・浅田美代子・山口百恵といったCBSソニーのアイドルを集めたりもしていました。
今でこそクラシックにはまっていますが、これだけは高校生の頃はほとんど手を出していません。もともと小学生から中学生の頃にはバッハにはまったことがあるのですが、高校生の頃にはどれもが同じに聞こえてつまらないと思っていたのです。
普通は趣味としては、ここにスポーツが入ってくるわけですが、もともとあまり得意ではなく好きではありませんでした。小学生から中学生までは剣道をやっていましたが、電子工作関係のクラブ活動が忙しくなって止めてしまいました。
そんなわけで、趣味を答えなければいけない質問は大の苦手で、今でも趣味は広く浅く的な状態なので自信を持って答えるものがなかなか見つからないという情けない状態が続いているのです。