二十四節気の寒露、その次候となり、今日から七十二候では菊花開(きくのはなひらく)となります。
日中は、異常とも言える夏の気温となっていますが、朝の冷え込みだけはだいぶ秋深まるという感じです。
菊花開、これはわかりやすい。菊はキク科キク属の多年草で、秋に開花します。日本では何かと馴染みのある植物で、何と言っても天皇家の菊の御紋は知らぬ人はいないでしょう。
また、マニア的な栽培によって花の完成度を競う大会も各地にあって、確かに手間をかければかけるだけ見事な花を見せてくれます。
競馬の方では、重賞レース(G1)の一つに菊花賞があり、10月の下旬に行われています。馬券は買った事が無く、よくわかりませんが、さすがに名前はよく知れ渡っていますね。
人物では、劇作家の菊田一夫の名が思い出されます。故・森光子さんの代表作の「放浪記」は、菊田一夫にとっても代表作の一つでしょう。
ルース・ベネディクトの著書「菊と刀」は、日本文化を海外に紹介する最も有名な文化論著述のひとつでしょう。内容的には、いろいろと議論があるようですが、海外から見た日本という視点を知る意味で価値があります。
横溝正史の金田一耕助もので人気のある「犬神家の一族」では、「よき・こと・きく」がキーワードの一つ。菊人形の中に死体が飾られる場面があったりします。
そうそう、キッチンシンクの水の流れていくところに大きなゴミをキャッチするために黒いゴムの蓋が付いています。真ん中から放射状にスリットが入っている奴。あれは菊割れ蓋と呼ぶんですよね。
何にしても、秋を代表する花ですから、さすがに目にする事も多いので、菊の開花は季節としては実感しやすいものですね。