2013年10月20日日曜日

HONDAの逆襲

コンパクトカーとしては、ずば抜けた売り上げを誇っていたHONDAのFITですが、一昨年末に発売されたTOYOTAのハイブリッド専用設計のAQUAに押されに押され、かなりのシェアを持っていかれてしまいました。

HONDAもハイブリッド車は当然ラインナップされていて、しかもほとんどの売れ筋にハイブリット搭載とガソリン車の両方を用意したりと、いろいろ頑張っていたのですが、いかせんHONDAの中途半端(と言うと申し訳ないのですが)なハイブリッド・システムがネックになっていた。

TOYOTAの電気自動車としても走行できるエンジンに対して、HONDAはあくまでもモーターだけでは走れませんでした。そこが、「電動アシスト自転車」と一緒としばしば批判されていたところ。

停止すると、アイドリングストップでエンジンが停止するのはいいのですが、エアコンも停止するので夏は大変。もっとも、できるだけエンジンを動かさないTOYOTAの場合は、エンジンがなかなか暖まらないので、冬はいつまでたっても温風が出てこない。

もっとも、一番の売りのポイントは燃費性能。AQUAは、40km/Lという驚異の数字を前面に出して登場したわけですが、これはあくまで10・15モードという計測法で、実際の運転でこの数字を出すことは不可能と言ってよい。

通常、市街地を中心に走る場合、10・15モードの数字の6割程度というのが現実的な燃費の目安と言われています。実際、それなりに走れば24km/Lというのがどうも一般的な数字らしい。もっとも、低燃費走行を気にしなくても20km/L以上は出るというのは、十分に評価できるところ。

最近はTOYOTAも、さすがに恥ずかしいと思ったのか、40のkm/Lということはあまり表に出さなくなりました。最近は、より現実的な走りに近いJC08モードという燃費表示が重視されるようになり、AQUAは35.4/km/Lという数字が公開されています。

さて、そこにいよいよHONDAの本気を見せるメジャーチェンジしたFIT3が登場しました。何しろ一番の売り文句はクラス最高の低燃費で、JC08モードでAQUAを抜いて36.4km/Lという数字をたたき出したんです。

しかも、今までのHONDAのハイブリッドエンジンを捨てて、TOYOTAと同じモーターだけでも走行が可能になったということもHONDAとしては大威張りのポイント。さて、これからの売り上げはどうなっていくのか、ずいぶんと楽しみです。

ただ、時代は車に求めるものは、低燃費よりも安全性にシフトしてきています。この点については、HONDAはまたもや遅れをとっているといわざるをえない。TOYOTAだけならまだしも、SUBARUなどにも負けている状況ですから、よりいっそうの頑張りが必要そうです。