2013年10月6日日曜日

気の毒な炎症

10月になって、寒いやら暑いやらで、体調を維持するのも大変です。そのうえ、台風も次から次へとやってくるので、天気もめまぐるしいことこの上ない。

さて、いつも関節リウマチの話をしていると、まず「自分の関節に自分でアレルギーを起こして、関節炎を起こしています」というところから話が始まります。

関節炎、つまり関節に炎症を起こしているということなのですが、何気なく炎症という言葉を使っています。炎症というと、何やら良くないことのようにイメージされている方が多いと思います。

ところが、炎症というのは悪者呼ばわりされていますが、実際は必ずしもそうではありません。本当は正義のために闘っているのですが、結果として痛みなどを伴うためにそのがんばりが報われない感じなのです。

体の中に障害が起こって、組織が傷んでしまうと、そこを修復しようとする機転がはたらきます。トカゲのしっぽのように、完全に再生することはできませんが、人間も少しでも元の組織に近い形に修復しようとしているのです。

実は、その過程が炎症と呼ばれる一連の反応なのです。傷んだ組織を吸収する細胞、新たな組織を再生させるための細胞などが局所に集まってくるわけですが、そのために局所の血管を広げて血流を良くすることで反応しやすくするのです。

そのために、局所が腫れてくるために、痛みや熱感や発赤といった症状を伴うことになります。結局、これがつらいために、炎症は悪役の位置に甘んじているわけです。

もしも、炎症が起こらなかったら、体は傷んだところは修復されず、どんどんボロボロになってしまうでしょう。人間の寿命なんて、ほんの数年で尽きてしまうかもしれません。

ある意味、炎症は誤解されることが多く、気の毒なやつなのかもしれません。

ただし、病的に起こる炎症は、当然弁護のしようがない。リウマチのような病気では、起らなくていい炎症が起こってくるわけですから、これを何とかしたいとやっきになっているわけです。