元讀賣巨人監督の川上哲治氏が亡くなりました。93歳、大往生でしょう。
日本のプロ野球創成期に活躍した最後の選手であり、自分よりも上の世代では「赤バットの川上」として憧れの存在でした。野村克也氏ですら、子供のときの憧れの選手だったと述べています。
自分の場合は、まさに野球の監督と言えば川上。憧れの長嶋・王選手を操る黒幕みたいな存在で、巨人の日本シリーズ9連覇を成し遂げ、巨人=川上みたいに思っていたものです。
巨人、大鵬、卵焼きの世代としては、最初の2つを失い、残っているのは卵焼きだけという、何とも昭和の喪失感をまたまた味わうことになりました。
1974年、V10を目指して巨人はセリーグ2位に甘んじ、川上監督は辞任。以来、ほぼ40年という時間が過ぎました。この間、川上氏はNHKを中心に野球解説や少年野球の指導者として活躍されました。
しかし、表立って出てくる機会は少なく、巨人の強さと人気を決定づける活躍をしたにも関わらず、引き際の見事さが印象的でした。亡くなったというニュースを聞いて、静かな幕引きにあらためて川上氏らしさを感じるのです。
自分がこどもの頃に、「明治は遠くなりにけり」ということがよく言われていました。今は、こういうニュースに接するたびに「昭和は遠くなりにけり」と思い、多少の喪失感を味わうのです。
合掌