2013年11月4日月曜日

リウマチ患者さんの高齢化

関節リウマチという病気は30歳代~50歳代に発症することが多い病気なので、現在65歳以上の高齢者と呼ばれる方々の中で関節リウマチを患っている方は、発症してから少なくとも20年以上は経っているわけです。

リウマチがあるから、その分老化的な問題が伴わなければいいのですが、なかなかそうはうまいことはいきません。関節の変化には、加齢性のものも加わってきて、どこまでがリウマチでどこから加齢なのかはよくわからなくなってきます。

関節の痛みや変形のために、どうしても運動量が少なくなりがちですから、筋力の低下は見過ごせません。また、治療薬の関係もあって骨粗鬆症も強めに出やすく、当然骨折のリスクは高くなると言わざるをえません。

基本的には、関節リウマチは寿命を縮めない病気とかんがえられていますが、合併症や薬の問題も含めて健康寿命に少なからず影響を及ぼすことは否定できません。

自分も大学で診療しているときは、山形とか新潟などから毎月来る患者さんがいました。しかし、最初は遠くても大きな大学病院のリウマチ専門科に通院していた方も、足腰が弱くなってきて、通いきれなくなることはしばしばあることです。

しかし、関節リウマチは国が定める難病の扱いではないため、なかなか特別な援助というものがなく、高齢化が進む中で高齢化したリウマチ患者さんは様々な不安を抱えているはずです。

関節リウマチが治療によって治ったと同等の状態、つまり寛解が期待できるようになったのは、生物学的製剤が登場してからで、ここ10年の話です。つまり、現在高齢者と呼ばれるリウマチ患者さんのほとんどが、そういう薬を発症早期に使うことができなかった方なのです。

つまり、大なり小なり関節の変形は必ず起こっていて、そのために機能的な障害は何かしら伴っているわけです。ただし、人間のすごいところなのかもしれませんが、慣れというものがあって、意外に変形を苦にしていらっしゃらない患者さんがけっこういるものです。

例えば手術をお勧めして、今よりは確実に手足の使いかってがよくなりますよと説明しても、むしろ「たいていのことはできている」から手術はいらないと考える患者さんがかなりの数いるものです。

ただ、それは健康な状態からすると、100%よりもだいぶおちることは間違いありません。少なくとも、年齢とともにできるだけ出来ないことが増えないようにケアしていくことは、通常の高齢者よりも考えておかないといけません。

リウマチ患者さんには、認知症はあまりいないということがよく言われています。確かに、自分も実感としてわかるような気がします。実際、アルツハイマー病の頻度は少ないことがわかっていて、長い間痛みどめ、つまり消炎鎮痛剤を使用していることが、神経組織の炎症も和らげているのではないかと考えられています。

まぁ、それだけで喜んでもしかたがないことですが、今後数十年は高齢化したリウマチ患者さんは増えるだろうと思いますので、自分たちのようなクリニックレベルでの重要なテーマの一つと言えるわけです。